漫画『ONE PIECE』を好きでないとおかしい、という風潮に違和感をもつ人たちの声
趣味嗜好の多様化が進み、「国民的ヒット」がかつてより起きづらくなった言われる昨今。それでも、世の中を席巻する数少ない「国民的マンガ」のひとつが、『ONE PIECE』です。ルフィ率いる麦わら海賊団が、幾多の困難を乗り越えながら海賊王を目指すこの作品。各キャラクターの強烈な個性や名言、麦わら海賊団の仲間を大切にする熱い姿が支持され、単行本の累計発行部数が3億冊を突破するという国民的大ヒットを生み出しています。
それだけ売れているのですから、世の中は『ONE PIECE』好きな人であふれかえっています。共通の話題として成立しやすいこうしたマンガの存在は、私たちのコミュニケーションを円滑に進めてくれる最良のツールと言えるかもしれません。
ところがこれ、良いことばかりをもたらすわけではないよう…。なかには、『ONE PIECE』が好きであるあまり、まるで「国民みんなが好きであることが当然」という態度を取ってしまう人がおり、こうした風潮に対して憤りを感じる人が一部存在するようです。
しらべぇ編集部のアンケート調査によると、「『ONE PIECE』が好きでいることが当然」という風潮に腹が立ったことがある人は16.5%いました(男女1500人に調査)。
彼らは具体的にどんな理由でこのような風潮に苛立っているのでしょうか。今回は、いくつかの傾向に分類したうえでその声をご紹介します。
【読んだことないのに…】
・ワンピース読んでないなんて人間じゃないと言われて腹がたちました。自分の価値観を相手に押し付ける人は苦手です(30代・女性)
・私のように漫画を読んだことがいない人もいるはずなのに、皆が読んでいるかのように たとえ話を始められる(40代・女性)
・ワンピースを見たことがないというと、まるで不思議な生き物でも見るように「ありえなーい!」とか。そんなの個人の自由でしょ?(女性・50代)
・「ワンピースまじ泣けるよねー」って知らんし(女性・50代)
【みんな同じという前提に違和感】
・ジャンプで連載が始まった時に少しだけ読んだだけでアニメも見ていないので、ほとんど内容を知らない状況。 「何で知らないの?」と常識レベルの話扱いされると腹が立つ(40代・男性)
・『ONE PIECE』でもジブリアニメでも、国民全体が好き、みたいな空気になっていることが納得できない(40代・女性)
【押し付けがウザい!】
・熱く語られて相槌うたなかったら切れられた。好きなマンガだったのに読まなくなった(30代・女性)
・いい話なのは分かるが、そんなに好きじゃないものを強制するのはよくないと思う。ほんとの良さは、放っておいても皆解っていく(40代・女性)
・ずっと見てるし好きだからこそ気になるところはあるが、好きでいて当然という態度は読み手としてあまりに安易だと思う。(30代・男性)
【身近なワンピース好きに対して…】
・読んでないと答えると「ええ~っ」と驚かれて、「貸そうか?」といわれる。別に読みたくない。。。(30代・男性)
・「私は読んでない」って言うと、「何で? 人生損してる」と言われた(20代・女性)
・ワンピ好きがオタクを名乗るのはどうしても解せない。(20代・女性)
■まとめ
彼らの声をきけば、納得できるところもあります。いくら「国民的マンガ」とは言え、それを読んでいない人、知らない人はいるわけですし、彼らを一方的に非国民扱いすることは多様性を尊重しない傲慢な態度と言えるのかもしれません。
『ルフィの仲間力』という本が出ていますが、「仲間力」をつけるためには、見知らぬ他者でも一方的な決めつけをせず、相手を尊重した態度で接することが肝要なのは言うまでもありません。仲間を大事にする作品だからこそ、『ONE PIECE』好きのみなさんもそうした態度を今以上に持てたら、より広くこのマンガは支持されていくのかもしれませんね。
※画像は東映アニメーション「ワンピース 公式サイト 東映アニメーション」のスクリーンショットです
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2014年7月22日(火)~7月25日(金)
対象:全国20代~60代 男女ユーザー計1500名
(文/しらべぇ編集部)