声に出したい、響きだけ忘れられない…語呂の良い世界史用語を10語選出してみた

2014/08/16 18:00


sekaisi

「中高の授業で習う歴史用語には、やたらと語呂がいいものが多い」。これは、文系の大学受験を経験した人にとって“あるある”であり、“2ちゃんねる”などネット上でもたびたび話題にのぼるテーマです。

受験から10年以上経って、その内容自体は忘れていても、名前の響きだけは忘れられない。そんな魅力ある歴史用語を、今回は「世界史」に絞って10語選出してみました。「あれが入ってない、これが入ってない」という異論を覚悟で、主観的に10語選ばせていただいています。どうか広い心で読んでいただければ幸いです。


【人名】

■マルクス=アウレリウス=アントニヌス

いきなり“語呂業界”の大物が登場です。西暦1世紀末から2世紀後期にかけて在位した“ローマ五賢帝”と呼ばれる5人の皇帝最後のひとりですね。ネルヴァ・トラヤヌス・ハドリアヌス・アントニヌス=ピウス、そしてマルクス=アウレリウス=アントニヌスという5人の名前を覚えるのは、多くの世界史受験者が最初に苦労するところです。

ちなみに、彼らが即位した時代も含まれる、“ローマの平和”を意味する「パクス・ロマーナ」という言葉も語呂が素晴らしいですね。

■ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世

サルデーニャ王国の最後の国王として知られる人物です。「イタリア統一戦争」に終止符を打ち、これまた語呂の良い「リソルジメント」(イタリア統一運動のこと)を成し遂げました。

世界史には、国王や教皇など「〇世」と付く人物が数え切れないほど登場しますが、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世は特に語呂が良い人物です。“トーリオ”が気持ちいいですよね。他に、「アナーニ事件」(1303年)で“憤死”したとされるローマ教皇・ボニファティウス8世なんかもなかなかの語呂の持ち主ですね。ところで、憤死、すなわち“憤って死ぬ”って凄くないですか…? 教科書にもこの言葉で載ってましたが、どんな死に方なんだろうと永遠の謎です。

■マクシミリアン・ロベスピエール

フランス革命期の恐怖政治家で、史上初の“テロリスト”ともいわれる人物です。マクシ、ミリアン、ロベス、ピエールという4つの組み合わせ(?)が素晴らしい語呂を生み出していますね。

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【戦い・戦争】

■アウステルリッツ三帝会戦

1805年、ナポレオン率いるフランス軍が、ロシア・オーストリア連合軍を破った「アウステルリッツの戦い」。これが、“三帝会戦”と表現されると途端に素晴らしい語呂になります。ナポレオン戦争では、「トラファルガーの海戦」なんかもなかなかの語呂ですね。

■トゥール=ポワティエ間の戦い

732年に、フランク王国とウマイヤ朝の間で起こった戦いです。厳密な地名ではなく、トゥールとポワティエの“あいだ”で起こった戦いとされているのが素晴らしいですね。この「間(かん)」という言葉が入っていることによって、語呂全体が引き締まっています。

■タラス河畔の戦い

こちらは、751年に中央アジアの覇権をめぐって唐(中国)とイスラム帝国のあいだで起きた戦いです。戦争の名前自体は語呂がとても良いわけではないかもしれませんが、特筆すべきは、当時のイスラム帝国の王朝の名前。そう、「アッバース朝」です。

世界史には、「〇〇朝」という言葉も多数登場しますが、なかでもアッバース朝はナンバーワンクラスの語呂、というか、単純にかっこよさがありますよね。

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【事件や法】

■カノッサの屈辱

世界史受験者のみならず、そのあまりに印象的な事件名から多くの人の知るところになっているのが、この「カノッサの屈辱」です。教皇権の優位性が現れた重要な歴史的事件ではありますが、なによりもやはり、誰か(神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世)が「屈辱を受けた」ことが事件の名前になっていることに味があります。

ちなみにヨーロッパ圏では、「カノッサの屈辱」という言葉は慣用句として使われているそうです。

■ボストン茶会事件

アメリカ独立革命の象徴的事件であるこの「ボストン茶会事件」。別名、というか、英語圏での呼ばれ方は、「ボストンティーパーティー」です。英語のオシャレさが如実に出ていますね。「パーティー=事件」なわけですから。「カノッサの屈辱」同様、世界史受験者のみならず有名な事件です。

■リキニウス=セクスティウス法

まるで語呂の良さだけを追求して付けられたかのような名前の法です。成立したのは、古代ローマ紀元前367年とうことで、かなりかなり昔。護民官であるリキニウスさんとセクスティウスさんが提案・制定した法なので、この名前になっているわけですね。その後制定された、「ホルテンシウス法」も素晴らしい語呂です。

■石井・ランシング協定

最後は、日本も関係ある世界史用語からひとつ。第一次大戦後の1917年に、日本の特命全権大使・石井菊次郎とアメリカ合衆国国務長官ロバート・ランシングとの間で締結された協定です。内容については割愛させていただきますが、“イシイランシング”という、世界史上でも屈指の響きの良さをもつ連名となっています。

以上、10語選出させてもらいました。次回は、「語呂の良い日本史用語」を、アンケートに基づいたランキング付きで紹介したいと企画しています。歴史好きのみなさん、こうご期待を!

(文/しらべぇ編集部

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