読んでる人は少ない？ 千代田区が皇居ランナーに向けて送ったメッセージを全部調べた
都内のランナーに「よく走る場所は？」と聞くと、皇居を挙げる方は多いだろう。また、出張などで東京を訪れた際、ついでに皇居ランを楽しむなんていう人もいる。平日夜間、あるいは土日・祝日に皇居に足を運べば、ランナーの数に驚くはずだ。皇居では、マラソン大会も行われている。
画像をもっと見るランナーのマナー問題に千代田区がとった策は
まさに「ランナーの聖地」とも言える皇居だが、1つ問題視されている点がある。それが、ランナーの“マナー”だ。当然のことながら、皇居周辺は走るために歩道があるわけではない。筆者も仕事ついでに皇居を走る機会があるが、2〜3周すれば歩行者とも出会う。また、ランナーの走力はさまざまだ。いきなりハイスピードで抜き去れば前のランナーは驚いてしまうだろう。
そんな背景からか、実は皇居に千代田区からランナーに向けたメッセージが置かれていることをご存知だろうか。もし知っていても、走っている最中にしっかり読んでいる人は少ないはずだ。
今回は、皇居に置かれたそれらのメッセージを紹介しよう。
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竹橋を過ぎたら道路右手を見てみよう
メッセージが書かれているのは、竹橋を過ぎた後の登り坂から。その名も『皇居周辺歩道利用マナー標語』だ。看板にある通り、この標語は千代田区が設置している。
・歩道は歩行者優先
・歩道をふさがない
・狭いところは一列に
写真のように、普段は道幅が広くても、工事などで狭くなっていることもあるので注意しよう。
・周回は反時計回り
これが実は非常に危なく、しかし必ずと言って良いほど守らないランナーがいる。
ランナーはそれなりにスピードを出しているので、対面で接触すれば衝撃も大きい。また、疲れていると視野が狭くなったり、ふらついたりという危険もある。ランナーは歩道左側を走り、右側を空けておくと良いだろう。そのうえで、逆走はくれぐれも禁止と認識しておきたい。
・タイムよりゆとり
「いいこと言うね！」なんて声も聞こえそうな標語だが、ランナーにはなかなか難しい。走っていると、ついペースアップしてしまうランナーは少なくない。しかし疲労が蓄積すると、転倒や接触などのリスクが高まる。冷静な判断・行動ができるよう、ゆとりは大切なのだ。
・ながら通行は控える
特に多いのは、ランニング中のスマートフォンや携帯電話だ。通話しながら走ったり、スマートフォンでアプリを操作しながら走るランナーは少なくない。しかし障害物や他ランナーへの注意が散漫になり、危険な行為である。
・自転車はすぐに止まれるスピードで
こちらはランナー向けではないが、念のため。皇居周辺は車道も広く、わざわざ歩道を走行する自転車は少ない。しかし、利用する際には低スピードで。あくまで歩行者優先を心がけたい。
・ゴミは必ず持ち帰る
皆で利用する皇居だからこそ、キレイな状態を保とう。ランナーならば飲み物のペットボトルやサプリメント等の袋など、必ず持ち帰って捨てていただきたいものだ。
・思いやりの心で
つい自分の世界に入りがちなランナーも少なくない。しかし皇居には他にもランナーや歩行者など大勢いる。常に相手を思いやることでこそ、気持よく誰もが利用できるのだろう。
ちなみに各標語には、内容に合わせて分かりやすいイラストも描かれている。
文字を読むことができなくても、イラストを見れば注意が促されるだろう。たまにはこうしたメッセージに目を向けることで、改めて正しい利用方法を認識できるものである。それが結局は、自分自身も安心・安全に皇居ランを楽しむことに繋がるのかもしれない。
(文／しらべぇ編集部・三河賢文)
