【法律コラム】全国のおもしろ条例! 11歳まで混浴していい地域がある!?

2015/03/01 17:00


sirabee0511houritu2-2©iStock.com/govicinity

先日、渋谷区が同性カップルに対して、「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する条例案を提出して話題になりましたね。

世界ではいろいろ耳にするこの話題。とてもデリケートな話ですので実際可決するか? もし可決されたら、全国の地方自治体や日本の法律にどのように影響するか? 法律にかかわる者としても、一人の人間としても非常に気になる条例であります。

さて、そんなホットワードな「条例」。以前も何件かおもしろ条例をご紹介しましたが、今回もまだまだある全国の気になる条例をみていきたいと思います。


画像をもっと見る

雪はこの町の資源!  ~北海道倶知安町みんなで親しむ雪条例~

しらべぇ0301条例2photo from  wikipedia

まずは、この季節ならではの条例。雪国のこの町だからこそ! という条例ですね。条例の名前からもうほっこりしますね(笑)

さて、雪国の人間なら必ずといってよいほど感じる「雪の面倒くささ」。雪かきのために早く起きなくてはいけない、冬タイヤの用意、交通機関の混雑・・・等。ネガティブな感情におされてしまいがちです。ちなみに、筆者も当事務所のスタッフも雪国育ちです。そして、筆者は、子ども時代に、雪で滑ってメガネを割った記憶があります・・・。

しかし、この「みんなで親しむ雪条例」は、町民みんなが雪に親しみ、雪による生活の支障を克服し、雪を「資源」として積極的に活用して、町民生活の向上と活力のあるまちづくりをしていこう! という非常に前向きな目的の条例となっております。

雪害に対する基本対策、雪の有効活用について考えていくという内容に加え、除雪作業等での他人に迷惑をかけない配慮、また、高齢者や障害者などが、冬の生活を安心して暮らすことができるような配慮などを重要視する内容もあり、寒い雪国の思いやりにあふれた心温まる条例になっています。


関連記事:【法律コラム】損害賠償だけではすまない!? アイドル・芸能人の合成写真は犯罪か?

6歳? 11歳? 何歳まで男女を混浴させられる?

sirabee0511houritu2-1

寒くなると、温泉や銭湯に行きたくなりますね~。次は、混浴のお話。実は、同じような内容の条例でも「どこからどこまでの範囲がOKかNGか?」という事が各地方自治体によって違うものが結構あります。たとえば公衆浴場に関する条例もそのひとつ。

みなさんも銭湯や温泉に行った際、お母さんが小さな息子を連れて女湯へ、または、お父さんが小さな娘さんを連れて男湯で温まっている、そんなほほえましい姿を見たことがあると思います。しかし、そんな姿が都道府県によって「●歳までなら混浴しても良い」と定められているものもあることはご存知だったでしょうか?

たとえば京都府では、7歳未満までが混浴してもよいとされています(「7歳以上の男女を混浴させないこと」と定めてあります)。

しかし、北海道岩手、他数県では、12歳未満までは混浴してもよいとされています。1~2歳の差ではないことに驚いてしまいますね。それにしても、11歳といったら、もう小学5年生ですよ!! まぁ、なんにせよ常識の範囲内での混浴ということなのでしょうね(笑)。


関連記事:【法律コラム】最近のOLのセクハラ事情 どんな手口が? 増えている逆セクハラも

夏の演奏家を保護? ~安曇野松川村すずむし保護条例~

最後は、夏が恋しいので、早くも夏のお話を(笑)。

世の中が便利になる一方、自然が少なくなり、昔は聞こえていた「夏の虫の鳴き声」が聞こえなくなったと感じる方もいるのではないでしょうか。長野県にある松川村のシンボルである「すずむし」も例外ではなく、このままでは絶滅の恐れがあるとされてしまいました。

そのため、松川村では、「すずむし」を貴重な地域資源と考え、それを保護することにより、村の豊かな自然環境や田園景観の保全をする、という目的からこの条例が作られました。

この条例は、「すずむしの捕獲を禁止」などの内容が書かれていますが、基本的には地域住民にひとつひとつ難しい事を要求するのではなく、「すずむし」と共存する自然環境に誇りをもち、全国に誇れる「すずむしの里」を作っていこう! という内容になっています。

「すずむし」や自然環境の保護をすることで、地域の活性化にも繋がる。そんな素敵な条例です。


関連記事:【法律コラム】今年もあった! 新成人の大騒ぎはどのような法律違反になるのか?

終わりに

他にもご紹介したい条例はたくさんありますが、今回はこの辺で。

条例はときに地域住民の行動を制限することもありますが、条例の多くは、地域住民がより良い生活を送るために制定されたものです。そんなことを意識しながら、改めて自分の地域の条例をチェックすると案外ほっこりできるかもしれませんよ。

(文/弁護士・佐藤大和

法律条例混浴
シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング