「何でもアリ」なクラウドファンディング『Indiegogo』に変化が
クラウドファンディングの二大巨頭といえば、『Indiegogo』と『Kickstarter』である。
登場した製品は、我々の生活にもちょっとした変化を与えるようになった。しかも最新の製品が購入できるとあって、ガジェットマニアには非常にありがたいサイト。
だが、いいことばかりではない。クラウドファンディングサイトを巡るトラブルや論争も、年々増えつつあるようだ。
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■「汚物を消毒」するため?
Indiegogoは、営業ベタな技術者からはKickstarterよりも評判が良いという。Indiegogoは出展審査がより緩やかというのがその理由だ。
だから、このサイトにはKickstarterでは審査落ちするような代物が登場。その一例が『XM42』という火炎放射器である。
このXM42は、除草や除雪に用いる作業用品。確かに日本でも、除草バーナーが販売されている。だがXM42の炎は除草バーナーとは比較にならない大火力である。足元の草どころか、その先にいる人間も焼いてしまうような勢いだ。
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■アメリカでは大ヒット商品に
果たしてこれを出展してもいいのか。悪用される危険性はないのか。
議論は当然あるが、それをよそにXM42は目標額の400%近くの出資を集めた。現在は自社サイト上で正式販売されている。
日本にも『Makuake』などクラウドファンディングサービスはいくつかあるが、XM42のような製品はもちろん存在しない。武器の規制が厳しい日本において、こうした強力な火炎放射器はまず開発されないだろう。
逆に言えば、Indiegogoがそれだけ審査基準の緩やかなサービスであるということ。だがそうであるが故のトラブルも、いくつか発生しているようだ。
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■これって詐欺じゃね?
有名な事例を挙げれば、『Robot Dragonfly』の騒動である。
これはトンボ型ロボットで、Indiegogoにおいて100万ドル以上もの資金を調達することに成功。だが100万ドルを開発者が手にした時点で、Robot Dragonflyは未完成だった。出資者には製品が送られるはずだったが、結局このロボットは技術的問題を解決できず頓挫。資金は開発のために使い果たしたそう。
ほとんど詐欺のような顛末だが、Indiegogoは近年こうしたトラブルがよく起こっている。中には、製品開発メーカーの経営者が調達金で豪遊していた例も。
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■厳しくなる審査
これらの事例を踏まえてか、Indiegogoにちょっとした変化が訪れている。
数日前まで、『VOLT Case』がプロジェクトを開いていた。だが何かしらの理由で、サイト運営者による出展途中での審査が入ったのだ。
このVOLT Caseはスタンガン付きのスマホケース。いざという時に5万ボルトの電撃を不審者に与え、専用アプリで襲われた場所の記録を自動保存できる。その製品のページが、閲覧できなくなっている。
ひとつ言えるのは、「Indiegogoは審査が緩い」とは言えなくなっている点だ。「ネット倫理」が取り沙汰されている今、各国政府を困惑させるようなプロジェクトは回避せざるを得ないだろう。
そして「倫理の徹底」は、開発者にとっての義務でもあるはずだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)