金銭負担や安楽死への苦渋の決断など 家族であるペットの医療問題
ペットの平均寿命は年々延びてきて、人間と同様に高齢化が進んでいる。
「ペットは贅沢品」というツイートや、苦渋の決断でペットの「安楽死」を選ばざるを得なかった飼い主がSNSで呼びかけた「愛犬との最後の散歩」など、何かと話題になっているペットの医療問題。
金銭面だけでなく、生き死にを選択するという苦渋の決断ほか、何かと重い責任が飼い主にのしかかる面もあるが、それを全うする心構えを持って、ペットを飼う人たちも少なくない。
しらべぇ編集部では、「ペットというよりも家族」と考えている人たちに話を聞いた。
■家族と考えると経済的負担は安い
「小型犬を18年間飼っていました。先日、亡くなったんですが最後の方は介護が必要で、おむつを毎日変えて、注射器で水をあげている状況でした。
おむつ代だけで月に1万以上掛かり、病院代も保険が適用されないので高額になりましたね。
ただ、金銭面は家族が1人増えると考えたら、そこまで負担ではありません。
旦那は仕事以外は引きこもりがちなため、愛犬とよく遊んでいました。旦那にとっては家族でもあり、友達でもあったのかもしれません。
自分の親が亡くなった時よりも、愛犬が亡くなった時の方がショックを受けていましたね」(50代・女性)
ペットとはいえ、家族が1人増える――子供1人の成長過程にかかる全ての費用と比較したら、よほどのことがない限り、それを超えることはない。
日々を共に過ごす家族として考えると、そういう尺度になることもうなずける。
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■命を救うこともある
「息子が反抗期で荒れていて、家族がバラバラになりかけた時がありました。
そんな時に愛犬が、家族の仲を取り持ってくれました。息子が人間不信に陥っていた時、愛犬の存在が救いになったみたいです。
後から聞いた話なんですが、息子が自殺を考えていた時期があり、愛犬のお陰で思いとどまったと。
ヨタヨタになっても一生懸命生きている老犬をみて、飼っている犬のようにもっとシンプルに生きようと思えたと言っていました。
息子の命の恩人と言ってもいいかもしれません」(60代・女性)
アニマルセラピーという言葉があるように、ペットの存在に命を救われるケースもある。
飼い主がペット一頭にかける年間費用は、犬で約36万円、猫で約18万円と言われている。
あくまで金額として計算できる額であり、毎日の世話を労働力として計算したら、もっと費用は掛かっているという考え方もできる。
しかし、今回の話にもあるように「金銭的な価値では、測ることができない」という人が多いだろう。
それはペットを「家族だ」と、心から思っているかどうかによって、変わってくるものなのかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・ニートgoma)