『カルテット』松たか子の台詞が「正論すぎる」と話題 撃沈する人続出
脚本を担当する坂元裕二氏(代表作『東京ラブストーリー』最高の離婚』など)の手腕を、三ヶ月間堪能できそうな予感だ。
大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の後枠として始まったドラマ『カルテット』。
松たか子、満島ひかり、高橋一生など演技派俳優たちが出演することで放送前から大きな話題になっているが、放送後はその奥深いストーリーに注目する声が多くあがった。
以下、ネタバレありで紹介したい。
■「私たち、アリとキリギリスのキリギリスじゃないですか…」
作中、音楽家である4人が軽井沢で有名なライブレストラン「ノクターン」を訪れるシーンがあった。彼らはそこでライブをしたいと考えるが、「余命9ヶ月のピアニスト」を自称するベンジャミン瀧田(イッセー尾形)が頻繁に出演するため、自分たちの枠が取れない。
その後、じつは彼は1年以上前から「余命9ヶ月」を語っており、全国各地で同じようにして演奏活動を行なっていたことが判明。すると、巻真紀(松たか子)がその事実をレストラン側に伝え、彼を追い出した。
これに対し、別府司(松田龍平)が「あの人は好きな音楽続けたかっただけなんです」「もっと他にやり方があったんじゃないですか」などと擁護。家森諭高(高橋一生)もこれに同調した。
すると、真紀は彼の姿に、未来の自分たちの姿を重ねていることを指摘した上で、次のように語ったのだ。
「私たち、『アリとキリギリス』のキリギリスじゃないですか。音楽で食べていきたいって言うけど、もう答え出てると思うんですよね。私たち 好きなことで生きていける人にはなれなかったんです。
仕事にできなかった人は決めなきゃいけないと思うんです。趣味にするのか、それでもまだ夢にするのか。趣味にできたアリは幸せだけど、夢にしちゃったキリギリスは泥沼で。ベンジャミンさんは、夢の沼に沈んだキリギリスだったから嘘つくしかなかった」
これには思わず他の面々も沈黙。視聴者の胸にも響いた様子で、多くの感想が寄せられている。中には、自分に置き換えて辛くなってしまう人も。
松たか子さんのセリフに震撼させられたミュージシャンはきっと少なくなかったに違いない。
「好きなことしていて食べて行けるといいね、私たちはアリとキリギリスのキリギリスなんだから。」っていうアレ。— 藤原不平等【ふじわらのふへと】 (@MA3290) 2017年1月17日
夢にするか趣味にするかの件は正論で同感です。#夢の話#カルテット
— yacchy (@yacchy382) 2017年1月17日
カルテットを観て思った。僕は好きなことを趣味にするアリになりたかったのではなかろうか。決して後ろをふり返ることはできない。夢の泥沼に沈んだキリギリスが沼の底からこちらを見つめている気がして。
— koshi (@wi_mem) 2017年1月17日
ラブサスペンスがどうのこうのより、「音楽(=好きなこと)を趣味か仕事かを選択せざるを得ない大人たち」の部分が興味深いんだけど。#カルテット
— るふ (@rufu_lufu) 2017年1月17日
#カルテット「好きなことで生きられない人は選ぶしかないんです 趣味にするか、夢にするか 趣味にしたひとはアリだけど夢にしたひとはキリギリスなんです」みたいな話 しんどすぎる 今のわたしにはつらすぎる
— ぺちこ (@ouchikaerita) 2017年1月17日
ラブストーリーのようでサスペンスで、コメディかと思いきやシリアスで、夢を追いかけてる4人だと思ってたら「自分たちは好きなことで食べていけないキリギリス」とか突き刺さること言う。
最後のEDはヤバい。
満島ひかりもヤバイけど高橋一生のデコルテなにあれヤバい…#カルテット— ちぃ (@palpal27) 2017年1月17日
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■好きなことを仕事にできた人は3人に1人
なお、しらべぇ編集部の調査では20~60代の男女1500名のうち、「好きなことを仕事にできたと思う」と答えたのは全体の3人に1人。
年代別では50代、60代がそれぞれ41.1%、49.0%と高い数値になった。時代背景や、「仕事をしているうちに好きになった」などの理由が考えられる。
物語が面白いだけでなく、示唆に富んでいて哲学性すら感じられた初回の放送。脚本を担当する坂元裕二氏(代表作『東京ラブストーリー』最高の離婚』など)の手腕を、三ヶ月間堪能できそうな予感だ。
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20~60代の男女1,500名(有効回答数)