「おんな城主直虎」とまったく同時代の海外ドラマをNHKで放映中
『おんな城主直虎』は、16世紀中葉の話である。
じつはこの頃、ヨーロッパでも激動の時代を迎えていた。スペインとポルトガルが世界中に植民地を作る一方、イギリスとフランスも徐々にその勢力を拡大。そこで王室間の政略結婚が繰り返され、現代につながる複雑なヨーロッパ情勢を生み出していくのだ。
NHKで放映されている『クイーン・メアリー 愛と欲望の王室』は、まさにその時代の西洋世界をテーマにしたドラマである。
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■メアリー・スチュアートって?
『クイーン・メアリー 愛と欲望の王室』の主人公は、スコットランド女王のメアリー・スチュアート(アデレード・ケイン)。フランス王太子フランソワ(トビー・レグボ)との恋愛模様や、当時のヨーロッパ王室で渦巻く陰謀を壮大なスケールで描いている。
メアリー・スチュアートの生没年は、1542年生まれ1587年没である。これは井伊直虎とほぼ同時期だ。
直虎の生年は分かっていないが、1536年(天文5年)が最有力視されている。『おんな城主直虎』の第1回放送時点の時代設定は、1544年(天文13年)だった。
「直虎はメアリーの6歳上のお姉さん」と言えば、より分かりやすいだろう。
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■本当に「同じ頃」だった!
直虎の許嫁だった亀之丞こと井伊直親は、今川氏に追われて一時井伊谷から姿を消す。それが先述の通り、1544年。彼が立派な若武者となって帰還するのは、それから11年後である。
この間、メアリーはスコットランドに侵攻したイングランドから逃れる形で、フランスに移り住む。彼女がフランス王太子フランソワと結婚したのは、1558年だ。
そしてその2年後の1560年(永禄3年)、日本では歴史を揺るがす大事件が発生した。桶狭間の戦いである。この合戦で、駿河遠州に覇を唱えていた今川義元は命を落とす。代わりに尾張の小領主に過ぎなかった織田信長が勢力を伸ばすのだった。
そんな中、それまで次郎法師という名で出家していた直虎はいよいよその名を戴き、井伊家当主になる。1565年(永禄8年)の話だ。一方、フランソワと死別していたメアリーはイングランド王位継承権を持つダーンリー卿ヘンリーと再婚し、スコットランド女王としての地位をより強固なものにしていく。
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■両作品の共通点
直虎とメアリーの最大の違いは「結婚したか否か」である。
直虎が井伊家存続のために結婚を選ばなかったのに対し、メアリーはスコットランド独立存続のために生涯3度の政略結婚を繰り返している。
だが「近隣の大勢力に圧迫された国の女当主」という点は一緒だ。ドラマを見ても「当主と宗教寺院の関係」や「大国との付き合い方」、「イケメンツートップの配役」など両作品が似通っている部分はいくつもある。
ここから日本とヨーロッパを比較してみるのもいいだろう。
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