あの役まで!大名優・松方弘樹が演じた「意外な歴史人物」3選
俳優の松方弘樹さんが亡くなった。その衝撃は、列島中を駆け巡っている。
松方さんといえば任侠映画を連想する人が多いだろう。その次に来るのは「遠山の金さん」かもしれない。だが、時代劇俳優としての松方さんは極めて幅広い配役で知られていた。
中には「こんな役までやってたのか!」と思わせてしまう歴史人物も、松方さんは演じていた。
①戦国三英傑
日本人の誰しもが知っている「戦国三英傑」。すなわち織田信長、豊臣秀吉、徳川家康のことだ。
何しろこの3人は「覇王、猿、狸」の基本イメージが濃い。それをどこまで継承するのか、あるいは敢えてイメージを崩しにかかるのかという課題が自然発生する。
そして意外と知られていないことだが、松方さんはこの三英傑を映画とテレビドラマでコンプリートしているのだ。それも作品をまたいで同じ人物を複数回演じており、それだけ「松方弘樹=戦国大名」は当たり役だった。
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②真田幸村
そしてじつは、松方さんはあの真田幸村も2度演じている。
家康キャリアのある俳優が幸村を演じることはかなり珍しい。そもそも容姿の一般的イメージがかなり異なる両者だから、起用できる役者も限られるのだ。
だがそれを可能にしたのは、松方弘樹という俳優の真価と言えるかもしれない。
ちなみに松方さんが真田幸村を演じた映画『真田幸村の謀略』では、敵対した兄の真田信之役を梅宮辰夫さんが演じた。
そういうニヤリとさせる配役の一方、この作品は「日本に隕石が落ちてきて中からエイリアンが現れ、それが猿飛佐助として幸村に味方する」というものすごいシナリオ。真田幸村を取り扱った映像作品の中では、一番の怪作と言えるだろう。
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③勝海舟
幕末のキーマン、勝海舟。松方さんはNHK大河ドラマの主役として勝を演じたが、じつはスタッフにとっては「黒歴史」となってしまった感がある。
1974年の大河ドラマ『勝海舟』の主役は渡哲也さんだった。ところが渡さんが病気治療で降板し、その後釜として松方さんに役が回った。大河ドラマにおいて子役から成人の役者にバトンタッチすることはよくあるが、成人同士はあまりない。
だが、ドラマの迷走はそれで終わらなかった。NHK社内の労使問題がドラマの制作現場にまで波及し、スタッフの間で温度差が生じてしまったのだ。
以上、俳優松方弘樹が演じた「意外な歴史人物」をいくつかご紹介した。
もちろん、ここに挙げたものだけではない。「歴史マニアが喜びそうな人物」を、松方さんはいくつも務めた。まさに大名優と言うべき役者であったことは間違いない。
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