「ご当地みやげポッキー」空港の免税エリアならコンプ可能
旅先で購入するお土産。近年、手ごろさもあって人気を集めているのは、定番お菓子の地域限定フレーバーだ。
このお土産用途の定番お菓子の誕生は、1989年に江崎グリコがバレンタイン商戦に発売した大箱の「ジャイアントポッキー」が話題となり、1994年に地域限定ジャイアントポッキー「夕張メロン」の製品化が最初だという。
現在では、多くの大手メーカーが各地の限定アイテムを展開する中、元祖ともいえる江崎グリコでは2016年2月に「ご当地みやげポッキー」の全面刷新を開始し、「夕張メロン」「信州巨峰」「宇治抹茶」をそれぞれ北海道・信州・近畿地区限定で発売した。
続く第2弾としては、今年1月24日から九州地区限定「あまおう苺」、北陸地区「五郎島金時」、東北地区「佐藤錦」を発売している。
■地元生産者と育むこだわり
ポッキーの現在のコンセプトは「Share happiness!」――ポッキーを分け合うことで生まれる楽しい気持ち・ハッピーな気持ちをより多くの人に実感していただきたい――というのが、目指す姿だという。
そこへ食べる人たちだけではなく、生産者にも「Share happiness!」の輪を広げ、「地元とつくる地元ポッキー」という点が、「ご当地みやげポッキー」のポイント。
それぞれのフレーバーは、現地関係者の協力を得て生産農家などとも意見交換を行い、地元生産者に「この味なら」と認めてもらうまで、何度も試作を繰り返して開発されたという。
実際に「あまおう苺」「五郎島金時」「佐藤錦」を食べた際、とりわけ「この味を再現するのは、大変だったのでは?」と感じたのは「佐藤錦」。
いずれも1年以上の開発期間がかかったというが、担当の江崎グリコ株式会社チョコレートマーケティング部の小林正典氏も「どれが一番ということではないですが、桜の香りと佐藤錦ならではの“甘さと優しい酸味”というのは、全く新しいフレーバーの開発でしたね」と語る。
そして「あまおう苺」は、あまおう苺果肉が生換算で7%使用されており、一般的ないちごクリームとは一線を画すリッチな香りと味わい。
最もインパクトが大きかったのは、「五郎島金時」。開発において「ふかした五郎島金時か、スイートポテトか」を徹底議論し、素材の美味しさを大切にした「ふかした五郎島金時」を選択。
産地・五郎島の方言「コッボコボ(=ホクホク)」な味わいが、上品な甘さの中にさつまいもならではの素朴さを感じさせる。
いずれも各素材の生産者たちが太鼓判を押すだけあって、再現性の高さと開発担当者の意気込みを感じる味わいだ。
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■インバウンド向けの「日本限定」戦略
国内のお土産需要は各限定エリアでの販売になるが、外国人観光客向けのインバンド戦略としては、全てのパッケージに「日本限定」と記載。
原料調達の関係で「あまおう苺」は5月からとなるが、全てのフレーバーを国際線が発着する主要空港免税エリアの土産店で購入することが可能となっている。
アジアを中心に世界的な認知のある「ポッキー」ブランドであり、いずれも個包装15袋入りで800円程度と手ごろな価格は、お土産としてのポテンシャルが高い。
また、ひとつのフレーバーではなく、セット買いの需要は外国人観光客にはもちろん、限定フレーバーをコンプリートして食べ比べたい、日本人にも魅力的だ。
限定エリアへ行った際のお土産としてはもちろん、免税エリアで見かけた際には全フレーバーの購入がオススメ。
海外からの定番土産よりも、「ご当地みやげポッキー」コンプリートセットの方が、レア度が高くて喜ばれるかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ)