男性の一人称になにを使う?地域や年齢で違いが発生
「自分は西部署の大門だ」。かつて一世を風靡した刑事ドラマ『西部警察』で、渡哲也演じる大門部長刑事が犯人に向かって叫ぶセリフである。
ドラマ全盛時代は、真似をして「自分」を使う人が続出。しかしオフィシャルなで用いることは、あまり好ましくないとされる。
世の男性諸氏は一人称になにを使っているのだろうか?
■男性の一人称になにを使う?
実態をつかむべく、しらべぇ編集部では全国の20代~60代の男性688名に、会話のとき一人称になにを使うかを調査。
最も多かったのは「俺」で4割。続いて「私」が入り、以下「僕」「自分」「ワシ」と続く。
関連記事:サラリーマンに愛される立ち食いそば屋 女性はやっぱり入りにくいのか調査した結果…
■地域別で若干の差が
地域別で見てみると若干の違いがでた。それぞれの傾向は以下の通りだ。
・北海道
「私」がトップ。また、自分を「俺」という男性が他の地域と比較すると、少ないといった特徴がみられた。
・東北
「俺」がダントツのトップで、46.2%。ちなみに、東北では女性も一人称に「俺」を使う――といった方言のエリアもあり、全体になじみがあるようだ。
また、「自分」を使う人も多く25.6%で、「自分」の使用率は全国トップである。
逆に「僕」を用いる人は極めて少なく、2.5%しか存在していない。
・首都圏
「俺」が40.7%、「私」23.1%、「僕」14.3%と、地域の特性というよりは、全体の割合に近い数字になっている。
・東海
こちらは「俺」「私」「僕」がそれぞれ、31.1%・26.2%・21.3%。「俺」が多めではあるが、差は少ない傾向があり、一人称に多様性がある地域のようだ。
・近畿
最も多いのは「俺」だが、「ワシ」を使う人が6.0%存在。大阪の一部で用いられてる模様。
・中国
こちらも最も多いのは「俺」だが、「ワシ」が14.6%で全国トップ。広島出身の達川光男氏がたびたび「ワシ」と口にしているように、一人称に「ワシ」と聞いて広島弁を思い浮かべる人も多いようだ。
・九州
「俺」が39.2%で多く、「僕」が9.8%とかなり低い。その一方で「その他」が2%存在。自分を「おいどん」と呼ぶ人がいる可能性も。
地域や年齢で違いがでる一人称。同じ意味にもかかわらず、これだけのバリエーションを持つというのは、日本語の特徴といえるのではないだろうか。
・合わせて読みたい→その地方出身でもないのに方言を使う人にイラつく割合は…
(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年1月20日~2017年1月22日
対象:全国20代~60代の男性688名(有効回答数)