あなたの先祖は?DNA検査で「民族の割合」を測定する動画が話題に
ナチス・ドイツを率いたアドルフ・ヒトラーは、「純血アーリア人の国家」を目指していた。
ところがそのヒトラーの先祖にユダヤ人がいたのでは、という説がある。手塚治虫の『アドルフに告ぐ』は、その説を採用した作品だ。
そもそもユーラシア世界において、「純血」はあり得ないと断言してもいいかもしれない。ヨーロッパに現存する王室を見ても、まず間違いなく他国王朝との交配を繰り返している。
たとえば現在のスペイン王家は、フランスのブルボン王朝から枝分かれした経緯がある。そして現イギリス王家も「フランス出身」。
つまり、国際的に見れば「混血」が当たり前なのだ。
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■DNA検査という「時間旅行」
それを踏まえた上で、この動画を紹介しよう。去年6月にYouTubeで配信され、今の時点で1,500万回再生を記録。
動画に出てくる人々は、誰しも自らの出身に誇りを抱いている。
「自分は先祖代々イングランド人だ」
「祖国に忠節を誓うバングラディシュ人です」
「わたしの先祖はみんなクルド族よ」
そう言い切る彼らに対し、企画提案者がこのような発言をする。「DNA検査を通じて、旅行をしてみませんか?」と。
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■「嫌いな国」の子孫だった!
時間旅行の方法は極めて簡単だ。容器に唾を入れる。ただそれだけ。
DNA検査の前に、被験者に対してさらにこんな質問をする。「嫌いな国はありますか?」。
すると口々に「ドイツ人」「トルコ人」「インドとパキスタン」といった答えが飛び出す。いずれも、被験者の出身国と戦争したことのある地域だ。
だが、人間が人間である以上は必ず異民族同士の交配が発生する。そしてそれは、「純血」がじつは思い込みに過ぎないという現実を示すものでもあるのだ。
自分が由緒正しいイングランド人だと主張していた男性の場合、わずか30%しかイングランド人の血を引いていなかった。その上、この男性のDNAの5%がドイツ人という結果も出た。
クルド人女性の場合は、先祖がコーカサス地方出身だということが判明。そこはかつてトルコ領だった地域である。すなわち、彼女と現代トルコ人はそう遠くない過去に同じ先祖を持っているのだ。
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■交配は国境を越える
愛国者を自称していたバングラディシュ人男性は、自らがイングランド人のDNAを継承していたことに驚愕していた。
だが、よく考えればこれらは決して「特異なこと」ではない。旧イギリス領だったバングラディシュの国民がイングランド人の血を引いていることは、むしろ当然である。
そのイングランド人も、フランスやドイツとの交配を繰り返してきたはず。ヒトラーは「雑種」という単語を嫌ったが、実際はこの動画が示す通りである。
世界は、我々が想像している以上に開放的なのだ。
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