話題の「第四新卒」採用 森下仁丹に真意を聞いてみた
ヘルスケア商品やのど飴などを販売する老舗メーカー「森下仁丹」が、40・50代を対象にした採用をスタートさせる。
同社は対象者を「第四新卒」と名付け、学歴や年齢を問わず、実力のみで採用する方針。このように中高年層をターゲットとした求人は異例で、高い注目を集めている。
■「第四新卒」の由来は?
「第四新卒」というフレーズは斬新で高いインパクトがあり、ネットでも話題になった。一体どのような経緯でこの言葉が誕生することになったのだろうか?
森下仁丹の広報担当者に、話を聞いた。
「単なる転職ではなく、第二の人生をこの会社に賭けるというくらい、気概のある中高年の採用をしたいと思っています。
『第二新卒の次の、第三新卒採用』と最初は考えたのですが、既に第三新卒は定義があることを知りまして、最終的に『第四新卒採用』と名付けました」(森下仁丹広報担当者)
ちなみに、第二新卒は一般的に「4年制の大学を卒業し就職したのち、3年未満の間に会社を辞め求職している人」を指すといわれる。そして第三新卒は「大学院博士後期課程修了者、または大学院博士後期課程在籍者で職務経験がない、または経験が3年未満の者」とされる。
第四新卒についてはその言葉すらなく、定義がなかった。森下仁丹が新しい概念を示したことで、今後広がりを見せる可能性がある。
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■採用を始めようと思ったきっかけは…
とはいえ、よほどの実績があっても、40代以上になると市場的には転職が難しいのが一般的だ。同社はなぜ、40・50代を採用しようと考えたのだろうか?
「会社の成長に人材は必要です。今までは人材紹介会社などを使って採用活動を行なってきましたが、当社を『老舗ののんびりした企業』と思われている方も多く、なかなかマッチする方が見つかりませんでした。
広く公募することで、チャレンジ精神のある、当社に必要な方と出会えるのではないかと考えています」(同前)
これまで40・50代は「転職がしにくい」とされてきた世代。「この年齢では、ほかにいけないし…」と諦め、ブラック企業に甘んじている労働者は少なくないだろう。
しかし、こうした「第四新卒」の浸透とともに各社が積極的な採用活動を行うようになることで、中高年労働者が転職しやすくなる世の中が訪れるかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)