侍ジャパン・小久保監督が退任の意向表明…ファンからは続投を望む声も
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝トーナメント準決勝で敗退した侍ジャパン・小久保裕紀監督が、退任の意向を表明した。
■王貞治氏から説得を受け就任
小久保氏は2013年に代表の監督に就任。当初秋山幸二氏や落合博満氏、古田敦也氏らが有力候補とされたが、いずれも固辞したといわれる。
就任の理由について小久保氏は、恩師である王貞治氏に「断れないところまで説得されたため」と発言。自ら進んで監督に名乗り出たわけではなく、王氏直々に打診され、決意した模様だ。
過去のWBCで連覇を成し遂げたことから、「決勝トーナメントにでて当たり前」という風潮があるうえ、負ければ批判を一身に浴びる。代表監督は精神的なストレスが大きく、敬遠する人材が多いのが現状だろう。
そんなかで就任を引き受けることは、大変な勇気を要する決断。火中の栗を拾うような思いすらあったかもしれない。
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■好判断で予選ラウンド全勝を達成
采配が不安視されるなど、前評判の低かった侍ジャパンだが、WBC予選ラウンドではキューバ、オランダ、イスラエルなどを相手に全勝。その陰には小久保監督の好判断があった。
打撃面では4番、5番に固定した筒香嘉智外野手・中田翔内野手が機能し、要所で効果的なホームランやタイムリーを放つ。
さらに正捕手に抜擢した小林誠司選手も打撃、守備に大活躍。また、山田哲人内野手を指名打者に回し、守備の優れた菊池涼介内野手をレギュラー起用したことで、失点を防ぐ場面も多く、こちらも好判断といえる。
当初監督が参加を希望していたイチロー、ダルビッシュ、上原が相次いで辞退したうえ、大谷翔平も故障で離脱。
そのような状況のなかで選手を上手くやりくりし、世界一になった王貞治氏・原辰徳氏も達成できなかった予選ラウンド全勝を成し遂げた。
その采配ぶりは、評価されてもいいのではないだろうか。
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■続投を望む声も
経験不足を指摘されながら国際大会を重ねるなかで自身も成長し、一定の結果を出した小久保監督だけに、続投を望む声も多い。
小久保監督には続投して欲しい。こんな少ない試合数で十分な経験積めるわけないし、これを良い経験として次の国際大会に向かって欲しい。
— NgtRj (@0Route66) March 22, 2017
小久保監督辞めちゃうの…続けて欲しいよ
— ぽんこ (@pon_de_ponny) March 22, 2017
任期中、プロ野球OBや一般人に采配を批判され続けてきた小久保裕紀監督。そのような声のなかチームを率いることは、相当な精神的重圧があっただろう。
また、同氏は福岡ソフトバンクホークスの次期監督候補と目されているだけに、そちらを念頭に置いた活動をしていくのではないかとの見方もある。
いずれにしても45歳とまだ若く、世界を戦った貴重な経験を持つ人材が国際大会の第一線から退くのはもったいない。一度退任という形で充電期間をとり、その経験値を2020年の東京オリンピックで見せてもらいたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)