名人がソフトに完敗の将棋電王戦…「歴史的役割」は終わった?

2017/04/07 10:00


(yuhorakushin/iStock/Thinkstock)
(yuhorakushin/iStock/Thinkstock)

4月1日、日光東照宮でプロ棋士とコンピューターが将棋で戦う「第2期将棋電王戦」の第一局が開催され、将棋ソフトPONANZAが佐藤天彦名人に勝利。現役タイトルホルダーがソフトに敗れるのは、史上初だ。



■最強の名人もいいところなく…

佐藤天彦名人は昨年羽生善治現三冠から名人位を奪取。正確な読みに定評があり、高い勝率を誇っている。さらに電王戦出場者を決める叡王戦でも、準決勝で羽生三冠に勝利しており、最強棋士の呼び声が高い。

一方のPONANZAは過去の電王戦でプロ棋士相手に無敗。ソフトのなかでも強さが際立っており、こちらも最強といわれる。

そんな両者の対局は、序盤から先手番のPONANZAが巧みな差し回し。形勢を有利にすると、ジリジリとリードを広げていく。佐藤名人もなんとか状況を打開しようと試みるが、そのまま押し切られ71手で投了した。

内容的はPONANZAの圧勝で、佐藤名人も記者会見で「現在のプロ棋士を超える実力を持っている」と認めるほど。将棋関係者やファンも薄々わかってはいたものの、やはり現実を突きつけられたことにはショックの声もでた。

対局場の日光東照宮といえば、将棋を愛した徳川家康ゆかりの地。家康公も草葉の陰で、地団駄を踏んでいたかもしれない。


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■電王戦は今期で終了

数々の熱戦を繰り広げ、新規将棋ファンを多く獲得したといわれる「将棋電王戦」は今期をもって終了する予定だ。

これは2月の記者発表で主催であるドワンゴ・川上会長が発言したもので、「人間とコンピューターが同じルールで真剣勝負するスタイルの電王戦は歴史的役割を終えた」というのが主な理由としてあげられている。

人間と同等、あるいはそれ以上になったことが要因だが、イベントとしては盛り上がるうえ、プロ棋士の意地も見てみたい。終わらせるには、少々もったいないのではないだろうか?

そこでしらべぇ編集部では全国の20代~60代の男女1,332名に「将棋電王戦」の今後について調査してみた。

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結果、全体の31.1%が「続けて欲しい」と回答。さらに性世代別で見ると20代男性の割合が高く、40.6%が継続を望んでいる。20代は電王戦から将棋に興味を持ち、ニコニコ動画などネットで中継を楽しんでいる人もおり、イベントとして続けて欲しいと感じているのだろう。

また、50代、60代も継続派が一定数存在している。将棋界には羽生善治現三冠や叡王戦に出場しなかった渡辺明竜王など実力者はまだ存在していることから、プロ棋士のリベンジに期待しているのかもしれない。


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■最終局は5月20日

苦しい立場に追いやられた佐藤名人だが、リベンジのチャンスは残されている。5月20日に姫路城で第2局が行われるのだ。

同名人は「次回は先手。自分のなかでは勝算はある」と述べているだけに、意地とプライドをかけて全力で戦ってくれることだろう。

なんとか一矢報いて欲しいところだ。

・合わせて読みたい→将棋電王戦は棋士が完敗! 雪辱を期して羽生名人が出陣へ

(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2017年3月24日~2017年3月26日
対象:全国20代~60代の男女1,400名(有効回答数)

将棋調査徳川家康
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