『コウノドリ』人工死産の後に我が子を抱く母 ネット上にあふれた言葉は…
出生前診断は命の選別に…? 家族の苦悩から視聴者が感じた社会的な問題とは
妊産婦を取り巻く様々な問題を丁寧に取り上げ、家族や医師たちの葛藤を描くTBS系ドラマ『コウノドリ』。15日放送の第10話では、医学の進歩によって可能となった『出生前診断』がテーマに。
妊娠中に我が子がダウン症であると診断された2組の夫婦と、産婦人科医の鴻鳥サクラ(綾野剛)たちペルソナメンバーの葛藤が描かれ、答えのない重いテーマに多くの反響が寄せられている。
■出生前診断と「中絶」の関係
親からの勧めによって出生前診断を受けた、高山透子(初音映莉子)と夫の光弘(石田卓也)。その結果、21トリソミー「ダウン症候群」と診断されてしまう。
想像していなかった検査結果に、動揺する高山夫婦は両家の両親を交えての家族会議を行うことに。
一方、サクラの元にはもう一組、出生前診断によって、子がダウン症であると診断された辻明代(りょう)と夫の信英(近藤公園)夫婦が。辻夫婦は家庭の事情から、子に疾患が見つかった場合には「人工中絶をする」と決めていた。
しかし、検査を受ける前から意志を固めていた明代であっても、お腹に宿った我が子の存在を感じる度に苦しみ、葛藤していた。
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■正解のない選択、それぞれの決断
手術の日を迎えた明代。中期中絶手術となる明代は薬で陣痛を誘発し、「人工死産」という身体的にも精神的にも非常に大きな負担のかかる方法が取られる。
痛みと吐き気に苦しみながら、明代はサクラに「最後、この子を抱いても良いですか?」と懇願。サクラは、そんな明代の気持ちに精一杯寄り添った。
家族会議の結果、動揺していた高山夫婦も中絶という決断に至る。しかし、透子はどこか心に踏ん切りがつかずに1人迷い続けていた。そんな透子の心が決まったのは、明代と同じく人工死産のため入院をしてからのこと。
処置室へ入る手前でその場に倒れ込みながら「産みたい…でも、怖い」と口にする。その言葉を聞いた、当初中絶を勧めていた透子の母が彼女の肩をそっと抱き、透子の気持ちを受け止めた。