業務量はそのまま 働き方改革の裏で起きている持ち帰り残業の実態
働き方改革も、根本的なことを見直さないと意味がないとの意見も。
働き方改革が叫ばれるようになり、会社での残業は厳しくなった。その代わりに増えていると言われるのが、「持ち帰り残業」である。
しらべぇ編集部では、全国20〜60代有職者の男女633名を対象に調査を実施。「仕事を持ち帰って、家ですることがある」と回答した人は、全体では28.1%にとどまった。
■年長者ほど家で仕事
年代別では、年を重ねるほどに割合が増えている。
長時間働くことが、当然とされていた世代だ。
「サービス残業が厳しくなったけど、業務が多いので時間内に終わらない。だから仕方なく家に持ち帰り、続きをする」(50代・男性)
家で仕事をすることが、前提になっている人もいる。
「会社では、家でできなそうな業務を片付ける。家でもできるものは、会社でやることがほとんどなくなってしまった」(40代・男性)
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■残業だけなくしても業務量が…
働き方改革で残業を禁止しても、肝心な業務内容はそのまま。今まで残業を含めてこなしていた分を、定時に終えるのは無理だという。
「残業だけを禁止されても、改革にはなっていない。時間管理の本をいっぱい読んで効率化を実践しているけど、さすがに一人でできることには限界がある」(30代・女性)
家で仕事をしていない人も、業務量は大きな課題だと述べる。
「残業ができないのは、精神的な負担が大きい。定時が近づくと、まだ終わらない仕事の山に焦るばかり。業務の改善を上に提案にしても、無駄なものを減らす勇気すらないようで…」(30代・男性)
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■上の世代は持ち帰り残業を止めるべきとの声も
上の世代の人たちは、会社でもそれなりの地位にいる人たちが多い。そのような立場の人が持ち帰り残業をすると、下にも負担がかかるのと意見も。
「上司が残業していると、他の人たちも一緒に残らないといけない空気になり、サービス残業が続いた。持ち帰り残業にも、同じことが当てはまりそう。上の人たちが、率先して止めないと」(30代・男性)
会社全体で業務の改善を考えることが、働き方改革には重要なのだろう。
(文/しらべぇ編集部・ニャック)
対象:全国20代~60代有職者の男女633名(有効回答数)