「越後三梅」とうたわれて地酒ブームを盛り上げた『峰乃白梅』 400年近い歴史の老舗蔵
幕末、長岡藩に「米百俵」を贈った三根山藩の城下町にある酒蔵だ。
「普通酒はつくらない」という酒蔵。
国鉄が展開した「ディスカバージャパン」のキャンペーンに乗り、「越後三梅」のひとつとして、1980年代の地酒ブームを牽引したのが、『峰乃白梅』だ。
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■霊場弥彦山にもほど近い
その醸造元は越後平野のほぼ中央、新潟市の日本海寄りに蔵がある。
岩室温泉を挟んで山岳信仰の霊場弥彦山と、四季を通してトレッキングが楽しめる角田山(かくだやま)が並ぶが、長者原山とも呼ばれるこの角田山の山麓に広がる福井地区が、『峰乃白梅』のふるさとだ。
このあたりは、旧石器時代や縄文時代の遺跡、古墳時代前期の古墳などがあることから、1万年以上も昔から開けていた土地であるらしい。
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■城下町として栄えた歴史
江戸時代には、長岡藩の支藩・三根山藩一万石の城下町として栄え、また北国街道筋にあって岩室温泉や弥彦神社に近いことからにぎわったという。
「冬の日本海からの北風が山を越えて吹き下ろすため、酒造りの季節は極寒となり、酒を醸すのに絶好の環境となります」 と代表取締役の高橋芳郎さんは、蔵の立地について語る。
また、これらの山に降った雨は黒御影の層で長い年月をかけて磨かれ、弥彦・角田山系の伏流水となって蔵の周りに湧き出している。
蔵の裏手を流れる小川には、夏になると無数の蛍が飛び交うというから、きれいな水の証だろう。