土屋役・三浦誠己が『モンテ・クリスト伯』真海の姿と希望的結末を激白
三浦誠己が秘書・土屋から見た「真海の姿」と、“完全なる妄想”のラストシーンを語った
ディーン・フジオカ演じるモンテ・クリスト・真海が、緻密で大胆な復讐を繰り広げ、そのドロドロした魅力に夢中になる人が増殖中の『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)。
真海のそばに仕える身でありながら、その目的や正体を知らないまま影のように寄り添う秘書・土屋慈(つちやしげる)。その土屋を演じる三浦誠己に、土屋から見た真海の人物像や忠誠を尽くす理由について、話を聞いた。
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■土屋が抱える恐怖心
忠実な秘書として真海の指示に従う土屋だが、その様子に不穏な空気を嗅ぎ取っているはず。真海のどういった部分に、恐ろしさを感じているのだろうか?
「やっぱり底知れなさ――じゃないですかね。いろんな人間関係など、全てを知っていることに対する恐怖。あと、立ち居振る舞い――話し方や使う言葉、仕草や表情など総合的なバランスの中に、恐ろしさは感じていると思います。
ただ、自分が殺されるんじゃないか? といった、身の危険に対する恐怖感ではなくて、自分がある意味“惚れた”というか、敬意を抱いている人間に嫌われたくない、排除されたくない、ずっとそばに置いてほしい――真海さんに仕えることで得た、人生の希望が無くなることへの恐怖ですね」
土屋が22年前に目撃したことを告白し、「真海さんは、全てを知ってるんですよね」と言う切迫した様子は、復讐の幕開けとなった第3話の中でも印象深いシーンのひとつだ。
そうした真海の底知れなさを感じながらも、「ずっとそばに置いてほしい」と思うほど、“惚れて”いる背景には何があるのか。
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■三浦が考えるバックボーンと真海への思い
土屋のプロフィールには、「少年時代から少年院に出入りを繰り返していて、荒んだ青年時代を過ごしていた」とあるが、そうした生活から真海の秘書になった経緯は、ストーリーには描かれず、詳しい設定はない。
役作りの中で三浦自身が考えた、真海との出会いや土屋のバックボーンをこう語る。
「きっと全てを知っている真海さんから接触してきた――どこかで働いていると真海さんが来て、顔見知りになり『こういうことで困っているんだけど、手伝ってくれないかな?』と言われた形から、始まっているんじゃないですかね。
一市民の土屋にしてみれば、ハイソな暮らしをしている人と接していく中で、経済的なこともあるけれど、自分の人生の希望や人間的な成長の場を見出したんだと思います。
土屋は赤ちゃんを拾いますが、少年時代から荒んだ生活を送ってきたけれども、愛情や優しさを受けて育ってきた部分があって、その中に妹や弟がいたんじゃないか――首の座らない赤ん坊を抱ける、赤ん坊の泣き声に反応してしまうし、無視できないのはそのため。経済的な面で豊かになりたいと思うのは、そうした肉親を養いたいのかもしれません。
荒んだ過去があったけれど、今は秘書であることに、自分の中でこうしたバックボーンを作れたから、土屋という役を矛盾なく演じられています」
また、真海への忠誠は、経済的な事情や、自分を引き上げてくれたことへの恩義だけではないと感じている。
「真海さんのどこかに、元々のキャラクターである柴門暖の人間性を、垣間見たり、匂いで感じ取っている――行動を共にする中で、土屋が成長するために知るべき、世の中のことや経済の仕組み、さまざまな教養などを教えてもらっているのだと思います」
――監獄での、ファリアと暖のような関係?
「近い何かが、あるのかもしれませんね。
土屋は本当に、何も知らずに真海さんのそばにいて、底知れなさを感じたからといって、正体を知ろうとするわけじゃない。でもどこかで、狂暴になる真海さんを止めたいと思っているし、真海さんのためになることであれば、どんなことでもしようと思ってるんじゃないかな」