茂木健一郎氏、運動会の組体操に「教育的意義は皆無」 実施予定の小学校に直撃取材
組体操の7段ピラミッドは果たして安全なのか 東大阪市を直撃したところ…
学校は、春の運動会シーズンを迎えている。徒競走や綱引きなどさまざまな種目がある中で、騎馬戦や棒倒し、むかで競争など、いくつかの競技には危険性が指摘されて久しい。
中でも、1969年から2014年度までの46年間にのべ9名の死亡事故を出しており、92名に後遺障害が残るなど、きわめて高い危険性が指摘されているのが、組体操だ。
■スポーツ庁も警告
スポーツ庁は2016年3月、「組体操による事故の防止について」という通知を各都道県教育委員会などに提出。その中には以下のような記載がある。
「各学校においては、タワーやピラミッド等の児童生徒が高い位置に上る技、跳んできた児童生徒を受け止める技、一人に多大な負荷のかかる技など、大きな事故につながる可能性がある組体操の技については、確実に安全な状態で実施できるかどうかをしっかりと確認し、できないと判断される場合には実施を見合わせること」
組体操の中でもいわゆる「大技」とされ、観客の注目を集める「タワー」「ピラミッド」については、名指しで慎重な検討を求めている。
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■年間4千件の事故を生む組体操
こうした注意喚起の背景には、上述したような重大事故に加えて、そもそも組体操が引き起こす事故の多さがある。日本スポーツ振興センターによると、2014年度の全国の組体操による小学校の事故件数は約6,300件。
各地の教育委員会や校長会は、自主的に組体操の全面禁止を打ち出しており、この影響で2017年度には事故件数が3,944件に減少している。
しかしこのような警告をまるであざ笑うかのように、組体操を続ける自治体・学校もある。大阪府東大阪市では、昨年度小学校51校中49校、中学校は25校中14校で組体操を実施。そのうち、小学校11校ではきわめて危険な「7段ピラミッド」が行われていた。