両親がエアガンを発射し1歳児が死亡 父は「知らない、長男が撃った」と供述
エアガンで撃たれその後死亡した児童。そして虐待通報を活かせなかった田川市。
福岡県警捜査1課は6日、田川市に住む土木業の父親(24)と無職の母親(24)を傷害の疑いで逮捕した。しらべぇ取材班は、福岡県警などから話を聞いた。
■「長男がエアガンを撃った」
捜査1課によると、2人は共謀し、2018年11月下旬、自宅で三男の唯雅(ゆいが)ちゃん(当時1歳)にライフル型のエアソフトガンでおもちゃの弾丸「BB弾」を数十発発射し、全身に全治約3週間のけがを負わせたもの。
その後、同年12月1日午前4時15分ごろ、母親から「三男が息をしていない」と119番通報があった。
搬送時には心肺停止状態で、午前6時ごろに肺感染症で死亡確認。母親は当時、「寝ていた時に泣き出して呼吸が浅くなり、心肺停止に至った」と説明したが、体に斑点状のあざが多数見つかった。
警察の調べに対して、2人は「エアガンで撃ったことはない」と供述し、けがについては「知らない」と話しているという。
また父親は「長男がエアガンを撃った」と説明したものの、長男は当時3歳で、県警は虐待の疑いがあるとみて捜査を開始。自宅から複数のエアガンを押収した。
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■児相には一度通告
田川児童相談所によると、2018年1月に長男のほおが腫れており、虐待の疑いがあるとの通告があったが、母親は「壁に激突しただけ」と説明。児相はたたかれた痕ではないと判断し、保護に至らなかったという。
児相が把握していたのは、あくまで長男で、三男に関しては、全くノーマークだったとのこと。児相では、虐待の疑いが強い順にA~Cというランクづけをしている。
この家庭の場合、長男に関してはCで見守りを続けていたという。母親とは定期的に連絡を取っており、長男を連れて児相に相談にやってきたこともあった。この家族は団地に住んでいるが、児相には近所から泣き声通報などはなかった。
市からは児相に一度、「母親と連絡がつかない」という通報があったため、「定期健診を受診しなさい」というハガキを持って行き、翌日母親が児相を訪れたこともあったとのこと。
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■市には2度虐待の疑いの通報
7日午後に会見を行った田川市役所によると、2018年1月19日と同年7月5日に市民から「三男の泣き声がしない。姿を見かけない」という通報があった。その後2度自宅訪問を行ったという。
一家は事件当時、夫婦と長男、三男、長女の5人暮らしだった。児童相談所は、長男、長女と今年7月に生まれた次女を順次保護している。
取材班が厚生労働省の担当課にこの事案についてのコメントを求めたところ、「一般論として、自治体と児相がしっかりと連携して、対応にあたるのが望ましい」と述べた。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)