早朝作った弁当を夕方配達し食中毒 「処分甘すぎ」の声に県庁の答えは…
二度目の食中毒に関して「営業取り消しでもいいのでは」の声も…
三重県松阪市の飲食店で作られた弁当を食べた男女7人が、黄色ブドウ球菌による食中毒を発症。県は7日付けで店を営業禁止処分にしたと発表した。しらべぇ取材班は、三重県から詳しい話を聞いた。
■6名を救急搬送
県食品安全課によると、3日22時40分頃、松阪地区広域消防組合消防本部から松阪保健所へ、 食中毒症状の6名を救急搬送するとの通報が入った。
松阪保健所が調査したところ、患者らは同日松阪市内の飲食店で調理された弁当を食べており、 当該弁当を食べた21名中7名が同様の症状を呈していることが判明。
同保健所は、患者7名の共通の食事が他にないこと、患者2名の嘔吐物および弁当の残品から黄色ブドウ球菌が検出されたこと、診察した医師から食中毒の届出があったことから、当該施設が提供した食事が原因の食中毒と断定。
7日付けで松阪市京町の弁当店を営業禁止処分とした。 なお、患者は全員快方に向かっているという。
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■「処分が甘すぎる」の声も
弁当店は、朝80食の弁当を作り、うち21食の「しぐれ丼弁当」(白飯、錦糸卵、牛しぐれ、ねぎ)を発泡スチロールに入れて、常温保存し、夕方配達を行っていた。残りの弁当は店頭で販売。また、同店は3年前にもO-157が原因の食中毒があり、営業禁止処分を受けている。
2回目の食中毒が発生したことに対して、ネット上では「処分が甘すぎる。営業を取り消すべき」との声もあがっている。
こういった声に対し食品安全課は、「食品衛生法で禁止されている生レバーを出すなどの悪質行為があれば、営業取り消しもあり得る。しかし今回は、前回と違う種類の食中毒であり、『管理方法が適切ではなかった』という過失の部分が大きいと考えている」と述べた。
さらに、「今回の処分は、期限を決めずに店側に対する立ち入り検査や十分な食品安全研修を行い、これで大丈夫と判断できた時点で処分を解除する」としている。
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■黄色ブドウ球菌のリスクとは
黄色ブドウ球菌は、エンテロトキシンという毒素を産生するため、食中毒を引き起こす。食品衛生課によると、この菌は多くの食品の中で増殖し、産生する毒素は熱や乾燥にも強いという性質があるため、十分な注意が必要だという。
そして、ブドウ球菌による食中毒は、おにぎりや弁当、サンドイッチやケーキなど、さまざまな食品で起こりうる。
注意点としては、「手指に傷がある人や手荒れがひどい人は直接調理に携わらない」「十分に手指を消毒してから調理する」「まな板・包丁・布巾などはよく洗い、熱湯や漂白剤で殺菌する」「食品を室温で長時間放置しない」などを挙げている。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)