ノムさん愛弟子・嶋基宏、ヤクルト入団が濃厚 優勝に必要な「名捕手」
ヤクルトへの入団が濃厚の嶋基宏。野村克也から指導を受けた貴重な現役捕手だ。
今季限りで楽天を退団する嶋基宏捕手がヤクルト入団が有力との報道があった。楽天一筋でチームの顔のような存在であった嶋。新天地は高津臣吾新監督が待つ新生ヤクルトになりそうだ。
経験が豊富な嶋の加入による意義は大きいとの話もある。新監督のもと、何が求められているのだろうか。
■正捕手争いの中で
プロ13年目を迎えた嶋は楽天から減額制限を超える年俸ダウン提示を受け、自由契約を申し入れて球団が了承。12球団合同トライアウトが終わり、自由契約選手との交渉が解禁。これを受けて近いうちにも入団交渉の場を設ける予定だという。
今季のチーム防御率4.78、失点数739はどちらも12球団ワーストだ。守備力とバッテリーの強化を図りたいところであるが、すでにチームでは中村悠平や松本直樹らによる正捕手争いが行われている。
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■ノムさんイズムとの関係
若手や中堅で争われている中に飛び込む34歳のベテラン。嶋に求められているのは現役選手としての活躍だけでなく、彼の持つ経験で刺激を与えることだろう。嶋は入団から09年まで名将・野村克也の指導を受けた「愛弟子」だ。
野村自身も「嶋は非常に頭のいい子なんですよ」など賛辞を贈るほどの捕手。新人だった07年から125試合に出場するなど主力に定着するなどした。厳しい言葉を浴びせることはあっても、期待の表れとも言える。
そして新監督に就任した高津も野村ID野球の申し子の1人。彼自身も野村の助言があって日本を代表する抑え投手に成長した。
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■来季の高津ヤクルトには必須か
野村監督時代に優勝を何度も経験した高津にとって、ノムさんイズムを理解している捕手を欲しても不思議ではない。古田敦也ほどではないにしろ、野村にとって最後の監督を務めた楽天で捕手として指導を受けた嶋の存在は現役選手の中では非常に貴重だ。
一方で外角に頼るリードを野村から度々注意されるなど課題もある。まだまだ選手として改善しなければならないところもあるが「コーチ、監督になっていく人材だと思う」と野村に評されている。その一歩目として先輩として刺激を与えることが求められるだろう。
「優勝チームに名捕手あり」――嶋の入団が高津ヤクルト優勝への第一歩と言ったところだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)