コロナでお墓参り代行が活況 「バチ当たらないのか」お坊さんの本音を聞いた
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、お墓参り代行をふるさと納税の返礼品として登録する人が増えているという。
ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクは7日、「お墓参り代行」のお礼の品登録累計件数が、前年比140%増に到達したと発表した。
お墓参りといえば通常、親族がおこなうもの。だが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、帰省せずに地元で暮らす人々に頼んでやってもらうケースが激増しているようだ。
■地元の人が代行
東京都の小池百合子都知事が6日の定例会見で、「この夏は『特別な夏』」と称したように、感染が全国各地に広がることを懸念し、旅行や帰省の自粛を都民に求めており、今年は帰省を見送る人が相次ぐ。
そのため、お墓参りを自ら出向いてするのではなく、地元で暮らす高齢者や障がい者に委託し、掃除やお墓の管理状況を見てもらう形の返礼品に人気が集まっているという。
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■お墓参りの役割は…
だが、赤の他人に自分のお墓を掃除されるのはバチが当たったりしないのだろうか。
若者の流行語「ぴえん」を法語として解説し、ネット上で注目を集めた浄土真宗の住職である松崎智海さんが解説する。
松崎さんが信仰する浄土真宗は「遺骨や暮石を拝む宗教ではない」と前置きしつつも、「故人の死を縁として、生きている私達が、仏縁に出会わせていただくのがお墓です」と、まずお墓の一般的な役割を説明。
お墓参りは故人の霊を鎮めたり慰めるためにおこなうものと考えられがちだが、実際は「生きている私達に、先人達が願う念いに耳を傾けること」に意義があると強調する。