間違えて知らない人に電子マネーを送金 解決方法と注意点を弁護士が解説
電子マネーで、知らない相手にお金を誤送金してしまったという相談者。スムーズに返金に応じてもらえない場合はどうすれば…?
感染症対策のため、国内外で普及している電子マネー。とても便利な一方で、様々なトラブルも発生しているようです。本記事では、実際に起きてしまった問題をもとに、齊藤健博弁護士が解説します。
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■知らない人に誤送金してしまった
相談者のAさんは、誤って知らない人にLINEpayでお金を送ってしまったといいます。相手は、LINE上では「友達」になっているものの、対面での関わりがほとんどなかったためか、誰なのか思い出せないような間柄の人物。
LINEにて送り返しをお願いしてみたそうですが、相手からの応答はなかったそうです。
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■返還してもらえる可能性はアリ
――Aさんのような場合、誤送金してしまった相手から、返金してもらえる可能性はあるのでしょうか。
齊藤弁護士:返還してもらえる可能性は十分あると思います。
法的には「誤振込」といって、銀行で他の口座に間違って預金を振り込んでしまった場合と状況が類似していると言えます。
この場合、「不当利得返還請求権」といって、本来保持すべきお金を持っていないことを根拠として、返還してもらうことが可能です。ただし、相手方の基本的な情報、住所などがないとスムーズに調べることができず、費用がかかってしまうことはよくあります。
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■スムーズに応じてもらえない場合は…
――相手がスムーズに返金に応じてくれなかった場合は、どのような手段を取れば良いのでしょうか。
齋藤弁護士:弁護士を通じた交渉は十分あり得ますが、相手が誠実に対応をしない場合には訴えるなどの強制力を用いる必要が生じます。訴訟、裁判を起こすには相手の住所や所在地が重要になるので、このような基本的な情報はなるべく集めるようにしてください。
ただし金額的にも訴訟などの手段が適さない場合には支払督促などの手段、簡単な手続を取ることも検討しなければなりません。プラットフォーム側に、簡易に対応してくれる仕組みがあればいいのですが…。
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(企画・文/しらべぇ編集部・齋藤 健博)