元農業高校教員がつくった「人間そっくりにんじん」が話題 その秘訣を直撃
傑作にんじんの秘訣は農薬を使わないこと。しかし決して意図してはつくれない
農林水産省によると、主な仕事が農業の「基幹的農業従事者」は、2020年に約136万人と5年前から約40万人減った。農家の高齢化が大きく影響しているという。そんな中、「農業の楽しさを伝えること」に積極的に取組む元農業高校教員の農園が話題を呼んでいる。
■農業高校教員を11年
神奈川県横須賀市にある「ブロ雅農園」園主の鈴木雅智(まさとし)氏は、親子二代で農園経営を行っている。東京農大を卒業後、神奈川県の農業高校で教員を11年経験。直接農家を継がなかったのは、「生徒たちに農業の楽しさを伝えたい」という想いからだった。
勤務校には、横浜や川崎といった都市部から2時間以上かけて通ってくる生徒もいたそうだ。「やったことないけれど、農業に興味がある」という生徒も多いという。
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■生徒たちは感動体験を
生徒たちと一緒に土にまみれて、自分たちが作ったものを地域の人達に販売する。生徒からは「自分達が作ったものを食べてもらえて、おいしいと言ってもらえることが、こんなにうれしいことだとは思ってもみなかった」という声が多くでていたという。
「今振り返ってみても大変貴重な11年間だった」と鈴木氏。この経験は現在の農園経営にも生きている。
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■土づくりにこだわり
鈴木氏の一番のこだわりは、土づくり。「農業は土づくりだ」という亡くなられた祖父の想いを受け継いでいる。一般的に土には牛糞を肥料して混ぜられるケースが多い。しかし、三浦半島には牛があまりいないため、牛糞を使いづらいという。
そのため、飲料メーカーの工場からでたお茶やコーヒーのカス、またキノコの下の部分、カニの甲羅などを土に混ぜているそうだ。成分分析調査では牛ふんを使った土地と遜色ない結果がでているという。