コロナ病床268で入院待ち1734人の神戸市 「呼吸不全でも入院できない」実態を聞いた
病床パンクで、自宅を回って酸素吸入が行われている悲惨な現状が判明。
神戸市は、市内の介護老人施設で4月中旬から今月7日までに、入所者と職員あわせて133人が新型コロナウイルスに感染し、このうち入所者25人が死亡したと発表。また、新型コロナで呼吸不全に陥っても病院に入院できない状態にあることがわかった。
■ほとんどの感染者が入院できず
市によると、施設は介護老人保健施設「サニーヒル」(定員150人)で、4月14日に最初の感染が判明して以降、入所者全体の約7割にあたる97人と職員36人の感染が確認された。感染者の大半が変異ウイルスだったという。
陽性が確認された97人のうち入院できたのは症状の重い3人のみで、ほかの感染者は施設内で医師や看護師による治療を受けていた。
関連記事:サンタ役がスーパースプレッダーか 訪問した介護施設で75名が新型コロナ陽性
■施設特有の密着が影響
施設内で感染が拡大した理由について市健康局は、「認知症のかたが徘徊したり、マスクを外してしまったりといった状況があった。また、職員も入所者の排泄や食事の介護、抱きかかえることなどによってどうしても密着してしまっていた」と話す。
施設内に勤務する看護師は、SNS上で「助けてください」などと訴えていた。