神戸市がコロナワクチン960回分廃棄 原因と配送システムについて直撃した
神戸市新型コロナウイルスワクチン大量廃棄の原因は、配送員の勘違いだった。
神戸市は12日夜、新型コロナウイルスの集団接種会場で、ワクチンを常温のまま最長3時間放置するミスがあり、960回分を廃棄すると発表。しらべぇ取材班は、その原因と配送システムについて詳しく聞いた。
■保管温度と時間を厳格管理
新型コロナウイルスは現在2週間に1回程度、国から各自治体に届けられ、医療機関などにある超低温冷凍庫(マイナス75℃)で保管されている。これを集団接種会場や接種を行う医療機関に、国から支給された保冷バッグ(2℃から8℃)で運ぶのが一般的。
保冷状態であれば、ワクチンを最大5日間保管することが認められている。各接種会場では、常温だと2時間以内に原液が入った瓶に生理食塩水を足して希釈し、6時間以内に接種を終える必要がある。
自治体の担当者は、「保管温度と時間管理を厳格にする必要があるため、どうしても余ってしまうことがある」とこぼす。
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■配送員の勘違い
神戸市は、ワクチンを11日午前中、委託する配送業者が、市独自の保冷バッグで市内3カ所の集団接種会場に運んだ。本来であれば会場にその保冷バッグを置いて帰るはずだった。
しかし、配送員が勘違いをし、ワクチンを中から取り出し常温の状態にし、配送バッグを持ち帰ってしまった。そのため翌日以降に接種予定だった960回分を廃棄することに。急遽この分を緊急輸送し、13日の接種に影響がでないようにしたという。
しらべぇ編集部の取材に対して、健康局担当者は「2度とこのようなことが起きないように、接種会場に市職員を配置しチェックさせる」と述べた。ではほかの自治体ではどのように行っているのか。