尾木ママ、小田急刺傷事件の動機分析 五輪の盛り上がりも「最悪の社会心理環境」
教育評論家の尾木直樹氏が小田急の刺傷事件について犯行動機を分析した。
教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏が7日に自身のブログを更新。6日夜に小田急線の電車内で起きた切りつけ事件について語った尾木氏は「最悪の社会心理現象」としたうえで、事件の連鎖を防ぐように訴えた。
■犯行を決意した「引き金」は…
尾木氏は逮捕された犯人の供述について、他人を傷つけてやりたいと「思うことと実行に移すことの間には段差がある」と持論を述べている。確かに他人と話していてイラだつことがあっても、自分の気持ちの中でおさめるのが普通に思える。
ならば犯人が実行に移すきっかけは何だったのか。原因について尾木氏は新型コロナウイルスの大流行が浮き彫りにした多くの格差や政治家の上から目線が火に油を注いでしまったのではないかと予想している。
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■五輪フィーバーで盛り上がる中
今まで最高だったメダルの獲得数をはるかに上回る日本勢の大活躍もあり、テレビをつければどこもかしこもオリンピックの話題で盛り上がっている。「最悪の社会心理環境ではないでしょうか?」と問いかける尾木氏は、五輪も最悪の環境を作った一因としてあげている。
理由は書かれていないが「あの選手は華々しい活躍をあげているのに…」と自分の暮らしと別世界のような選手の活躍を比較することがイライラの原因になっているのかもしれない。
コロナによって今年の夏も自粛を呼びかけられ、人数を集めての旅行やパーティなどを行うことが難しい。思うようにならない現状に尾木氏は「充満する同じような心理の人々による類似事件が連鎖しないかと心配でなりません!」と警戒感をあらわにした。
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■大切なのは「共感」と「つながり」
同じような事件が発生してしまわないためには国や地方自治体のリーダーたちが国民に共感して優しく寄り添っていくことが大切だと尾木氏はブログに書いている。弱肉強食の競争社会ではなくつながりを大切にする共生社会が尾木氏の理想とするところのようだ。
同じような事件の連鎖を防ぐために尾木氏は重傷を負ってしまった女性の回復を祈るとともに、事件に遭遇した人への心のケアを政治家に強く求めている。
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(文/しらべぇ編集部・綾崎 かなめ)