パラリンピック開幕まであと5日、千葉県54市町村の思い乗せた「聖火」が東京へ
千葉県でパラリンピック聖火リレー代替イベントが行われ、同県の熊谷俊人県知事が登壇。熱い思いを語った。
18日、千葉・千葉市で東京2020パラリンピック聖火リレーの代替イベントであるセレモニーが行われ、同県の熊谷俊人県知事、車いす陸上競技トップアスリートであり千葉県代表ランナーの花岡伸和氏が登壇。
千葉を繋いできた聖火を東京に向けて送り出した。
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■パラリンピックは24日開幕
新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、千葉での実施が取りやめとなっているパラリンピックの聖火リレー。
当初はランナーが公道を走り聖火を繋いでいく予定だったが、現在は感染防止対策が敷かれたイベント会場でのセレモニーに変更となっている。その後19日埼玉県、20~24日に東京都へ聖火が渡った後、同日20時にパラリンピックが開幕。22競技539種目の熱い闘いが繰り広げられる。
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■「本当に大事な火」
花岡氏は2004年アテネパラリンピック、2012年ロンドンパラリンピックの車いすマラソン競技でそれぞれ入賞してきたパラリンピアン。20日、東京都内で行われる全国の聖火を集める式典に千葉の火を届けるほか、22日には千葉県代表ランナーとして都内での点火セレモニーに出席する。
出発宣言を行った花岡氏は「今朝、四街道市の採火式に参加してきた。子供たちが『まいぎり式』という古式の火起こしで、暑い中汗だくで頑張ってくれた。ようやく火がついて、本当に大事な火なのだと改めて感じる。この困難な時代でもスポーツが人を繋いで、集まった人たちが力を合わせて乗り切っていく、そんな象徴になると信じている」とコメント。会場からは大きな拍手が起こっていた。
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■「真の共生社会」の幕開けに
その後、登壇した熊谷知事は「ここにある火は、それぞれの地で集火された火。縄文式で火を起こした市町村もあれば、障害者施設のみなさんや子供たちが火を作られた市町村もあった。54市町村それぞれの思いが込められた千葉県の火が花岡さんに託され、東京の地に送られることになる」と感慨深げに語った。
さらに縄文式での火起こしに関連して、「縄文時代の遺跡では、大人になった障害者の骨が見つかっている。障害を持って生まれた子を村社会の中で支え合ってきた証拠でもある。そうやって日本では古くから共生社会を意識して受け継がれてきた」と説明した上で、「真の共生社会を作っていく幕開けを、この火とともに切り開いていきたい」と思いを明かした。
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(取材・文/しらべぇ編集部・キモカメコ 佐藤)