「とんでもございません」は誤り? 若い世代の8割が答えたのは…
ビジネスでも日常でもよく使ってしまう言葉だが…。
言葉は、その時々によって「正しい用法」がある一方で、時代によって移り変わるもの。もはや一般化している「ら抜き言葉」のように、正しく「ら」を入れたほうが違和感を覚えてしまう…というものも。「とんでもない」という言葉もそんな状態にあるようだ。
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■7割が「とんでもございません」
Sirabee編集部が、「とんでもないという言葉の丁寧語」について、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、「とんでもございません」が正しいと回答した人は全体の69.3%。「とんでもないことでございます」と答えた30.7%を大きく上回った。
もはや世の中の受け止め方としては、「とんでもございませんが正当」ということになりそうだ。
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■若い世代では8割に
今回の調査結果を年代別に分析してみると、最も割合が高かったのは10〜20代で79.3%。しかし、若者世代だけでなく、60代でも76.2%に及んでいる。
ここまで圧倒的に普及しつつある「とんでもございません」だが、そもそも「とんでもない」は形容詞としてひとつの言葉。
「ありえない」という言葉を「ありえございません」、「みっともない」を丁寧に「みっともございません」と言わないように、「ない」の部分だけをぶつ切りにして丁寧語のようにするのは、本来はおかしな用法なのだ。
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■文化庁は認める
20年ほど前までは、新入社員のビジネスマナー研修などで、「使ってはいけない言葉」として厳しく指導された「とんでもございません」。しかし、文化庁は2007年2月、「敬語の指針」と題した文化審議会答申を発表。
「とんでもございません」の問題について、一語となっている言葉の一部を変えることを問題視する考え方を紹介しつつも、
「『とんでもございません( とんでもありません )』は、相手からの褒めや賞賛 などを軽く打ち消すときの表現であり、現在では、こうした状況で使うことは問題がないと考えられる」
としている。まさに「悪貨が良貨を駆逐する」という言葉の通りだが、言葉は生き物。使う人と時代が変わると、正しい用法もまた変わっていくものなのだろう。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)