「お盆の名物」心霊番組、なぜ消えた? ”幽霊より恐ろしいもの”が原因だった…
ひと昔前に比べて激減した心霊番組。なぜ、身の毛もよだつ映像は放送されなくなったのか…。
「おわかりいただけただろうか」「もう一度スローでご覧いただこう」──。不気味なナレーションと共に様々な怪奇現象を紹介する心霊番組。お盆のこの時期になると、お茶の間を恐怖で震え上がらせた。
怖がりながらもつい見たくなる不思議な魅力があったが、いつからか心霊番組は激減してしまった。いったい、何があったのだろうか…。
■10年ほど前から激減
心霊番組は、不自然に顔や手が映った写真や奇妙な音が聞こえたり、物が勝手に動く様子をとらえた動画などを紹介する番組だ。「お盆の名物」として、この時期頻繁に放送されていた。
しかし、かれこれ10年ほど前からこうした心霊現象を取り上げる番組は激減してしまった。ネット上では、「夏なのに心霊番組やらなくなったよな」「心霊番組なくなってつまんない」「テレビでやらなくなったからYouTubeで見るようになった」「この時期、心霊写真にガチでビビッて風呂に入るのも寝るのも怖がってたのにな」など、”夏の風物詩”を見なくなったことを実感する声が多数あがっている。
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■文明が進化しすぎた結果か
心霊番組の醍醐味といえばやはり不気味な心霊写真だが、ある制作会社関係者はこうした写真自体減ってしまったと話す。「スタッフの間では、あの手の写真はほとんどがカメラの不具合によるものだと考えています。ひと昔前のカメラは機械の不具合等で、不自然な光や人の顔・手のようなものが写ってしまうことがありましたが、今はスマホのカメラの性能も大幅に進化したのでそういう写真が減ってしまったんです」(制作会社関係者)。
「進化」しすぎたことでこんな弊害も…。「スマホのアプリで人の顔や手を付け加えることができるようになってしまいました。こうなると、『本物』かどうかの判別がしにくくなります。人の手で写真や動画が作れてしまうので、タレントや霊能力者を呼んで廃墟などに行くロケが中心になりがちです。それをやると、今度はネットで『ヤラセだろ』『キャーキャー騒ぐタレントがうざい』『嘘くさい』と批判されてしまうので、お手上げ状態ですよ(笑)」(同・制作会社関係者)。
以前、記者も友人へのいたずら目的で、あるアプリで「心霊写真」を作ったことがあるのだが、不気味な表情を浮かべた顔や青白い腕、はたまた血のついた手など、素人でも簡単に合成できてしまった。