台風14号は経験したことのない暴風のおそれ 特別警報発表の可能性も
台風14号は、中心気圧910hPaという、災害史に残る台風に匹敵する危険な勢力で接近・上陸する恐れがある。きょう(土)中の避難が必要だ。
特別警報の発表も検討されている台風14号。大雨、雷、暴風、高潮などありとあらゆる災害の恐れがありますが、この記事では「暴風」と「高潮」を中心に、気象予報士の千種ゆり子が解説します。
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■中心気圧910hPa 災害史に残る台風に匹敵
台風14号はきょう(土)午前3時、猛烈な勢力に発達しました。910hPaという猛烈な勢力を維持したまま九州に接近する可能性が高くなっています。
ここまで発達した状態で九州本土に近づくのは、戦後ではほとんどありません。
似たような勢力で上陸した台風としては、
室戸台風(911.6hPa 1934年9月21日(室戸岬における観測値))
枕崎台風(916.1hPa 1945年9月17日(枕崎における観測値))
第二室戸台風(925hPa 1961年9月16日09時過ぎの中心気圧)
があります。
上記の中で、今回の台風に最も上陸点が近い枕崎台風では、死者2,473名、行方不明者1,283名(気象庁HPより)などの被害が発生していますが、いかんせん終戦直後ですから、現代においてはどれくらいの被害が出るのか、予測がつかないという、とても恐ろしい状況です。
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■あす(日)の避難では遅い
少なくとも勢力としては過去の災害史に残るレベルの危険な台風で、大雨に加えて暴風も長時間続きそうです。
九州では丸二日以上暴風が吹き荒れ続ける可能性があります。終始、外に出るのが危険になるレベルです。
予想される最大瞬間風速は、九州南部・奄美で75m、九州北部で70mです。2019年の台風15号では千葉で鉄塔が倒れるなどの被害がありましたが、その際に観測されたのは57.5mですので、それをはるかに上回る暴風をもたらす恐れがあります。イメージとしては竜巻を想像してもらうのが良いと思います。電柱が軒並み倒れたり、木造の家が壊れたりする恐れがあります。
九州ではきょう(土)中に、考えられうる最も安全な場所に避難を完了しておく必要があります。