ヒトラー崇拝の女が釈放決まり論争勃発 「危険思想」は罪になるのか…
ヒトラーを崇拝し、残虐な冗談を言う女性に対して、世間の意見は割れている。
日本に比べて移民の数が多いヨーロッパでは、人種差別やヘイトクライムに特に敏感だ。イギリスでは、アドルフ・ヒトラーを崇拝する団体に入っていたことで懲役刑を受けた女が、このほど刑期を短縮して釈放されることになった。
『Daily Star』や『Daily Mail Online』など複数の海外メディアでこれが報じられ、人々の間でさまざまな意見が飛び交っている。
■ミス・ヒトラー参加の女性
アリス・カッター(25)は、非合法化された極右団体「ナショナル・アクション」のメンバーとして、2020年に有罪判決を受けた。
同集団は、白人至上主義やLGBT排斥主義といった極右過激主義思想を持つイギリスの組織で、所属しているだけで最長禁錮10年の実刑判決を受ける可能性がある。
同団体が開催し、ヒトラーを崇拝する女性が参加するというミスコン「ミス・ヒトラー」に出場したこともあるカッターは、当時、3年の刑期を言い渡された。
関連記事:死刑判決を受けた男が刑務所で自殺 女性惨殺と女児への性的暴行・誘拐の重罪
■条件付きで早期釈放
カッターの逮捕の決め手となったのは、ナショナル・アクションのメンバーだったことや、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)に関する残虐なジョークを日常的に発言していたことなどだった。ところが、わずか26ヶ月の獄中生活の後、条件付きで釈放されることが決定したのだ。
カッターは仮釈放委員会で、自分の行動や考え方が変化し、他人に危険を及ぼす心配はないことを強調した。これを受けて、「門限を守る」「立入禁止区域には入らない」「電子タグを着用する」などといったルールを守ることを条件に、刑期を短縮して釈放が認められることとなった。