一見普通なこの標識、何かがおかしい… 国交省も戸惑う「2文字」がレアすぎると判明

東北地方の某所で遭遇した道路標識。滅多に見かけない「2文字の情報」に注目が集まっており…。

2023/02/10 04:45


日常的に目にする存在ゆえに、通い慣れた道ではあまり注視しないのが案内標識。しかし旅先等では、思いもよらない読み方の地名に遭遇するケースも決して珍しくない。

ツイッター上では以前、案内標識に記された「レアすぎる情報」に注目が集まっていたのをご存知だろうか。

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■レアすぎる「2文字」に遭遇

今回注目したいのは、ツイッターユーザー・カキガラチョウの松さんが投稿した1件のツイート。

こちらの投稿には「国土交通省の標識で『近道』という言葉を初めて見ました」と、意味深な1文が綴られ、青と白を基調としたお馴染みの案内標識の写真が添えられていたのだ。

案内標識

右手は「塩釜港」、左手は「塩釜市街」に通じていることが分かるが、気になるのは直進した際に辿り着く地名の表記。そこにはツイート本文にある通り「松島(近道)」と記されていたではないか。


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■この「近道」は必要なのか…?

公の案内標識に「近道」という表記が使用されているのは確かに珍しいが、標識の情報を見る限りでは松島までのルートは一本道のため、わざわざ「近道」とのアドバイスを添える必要性があるのだろうか…という疑問も生じてくる光景である。

なお、ツイート投稿主・カキガラチョウの松さんに詳しい話を聞いたところ、こちらの案内標識は宮城県塩竈市内の「国道45号」にて発見したものと判明。関係各所に「近道」表記をめぐる詳細を尋ねてみると…。


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■国土交通省も「見かけない」

まずは全国の道路の「案内標識事情」をめぐり、「国土交通省」に話を聞いてみる。

案内標識に「近道」といったワードを使用することは問題ないのか尋ねたところ、今回の取材に応じてくれた同省の道路局 企画課からは「原則的に案内標識の内容については『この言葉を使用してはいけない、使用しなければならない』といったルールはございません」という回答が返ってきた。

「近道」という表記自体は法的に全く問題ないと分かったが、少なくとも記者はこれまでの人生で一度もお目にかかった記憶がない…。そこで過去に目撃した経験の有無を聞くと、担当者からは「…あまりないですね」と、なんとも歯切れの悪い回答が。

リアクション的に、実際のところは「一度も見たことがない」説も濃厚だが、やはりそれだけレアな表記ということなのだろう。


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■「近道」には立派な理由があった

続いては件の「近道」標識を管理する、宮城県仙台市の「国土交通省東北地方整備局 仙台河川国道事務所」に、標識誕生の経緯を尋ねることに。

まず設置開始時期について確認すると、現行の標識は2001年9月に改修されたもので、それ以前にも「近道」の表記があったことが判明したのだが…残念ながら「いつから『近道』表記が開始されたかは不明」とのことである。なお、同事務所の管理するエリア内で「近道」の表記が使用されているのは「前出の標識のみ」とも判明した。

続いて、1本道に「近道」表記を採用した意図を確認したところ、じつは件の標識が設置された地点は「左方向からも松島に辿り着ける」ことが明らかに。

案内標識

確かに前方の「松島(近道)」表記ならびに、左手の「塩釜市街」表記の付近にはそれぞれ「石巻」の地名が表示されているように、2つの経路は目的地・中継地が一部重複していると分かったのだ。

話は逸れるが、塩竈市公式サイトによると「塩竈」と「塩釜」の両表記が認められているそう。

「近道」表記採用の経緯について、国道事務所・担当者は「左手の方のルートは市街地となっておりまして、松島を目的としたドライバーが直進ルートを選ぶよう『近道』という表記を採用いたしました」「こちらは当事務所だけの判断でなく、塩竈市や所轄の警察署と協議した結果となります」とも説明している。

果たして日本国内に「近道」の表記が採用された案内標識は、どれほど存在するのだろうか…。

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■この表記、一度も見たことない…
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