裏路地で発見した自販機、出てきた物体に目を疑う… 「40年ぶりの再会」に感動の声
路地裏に置かれた古いUCCの自販機、その中から出てきたのは…。「40年前の忘れ物」に、感動の声が多数寄せられているのだ。
「忘れ物」や「落とし物」と聞くとネガティブなイメージを連想する人もいるかと思うが、ときにはこれらが「ポジティブ」な作用を引き起こすことも。
以前ツイッター上では、古びた自販機の中から見つかった忘れ物に、称賛の声が多数寄せられていたのをご存知だろうか。
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■自販機の中から出てきたのは…
今回注目したいのは、ツイッターユーザーのK・YOSHIKIさんが投稿した1件のツイート。
「これからレストア予定の自販機内部から1983年当時の忘れ物が! 昭和ぶりに日の目を浴びました」と意味深な1文が綴られた投稿には、「UCC」の名を冠した3本の缶ジュースと、自販機の写真が添えられている。
1983年といえば今からちょうど40年も前なのだが…いずれの缶も自販機本体も「レトロ」を通り越した年季のあるデザインとなっており、思わず納得してしまう。
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■「懐かしすぎる」と感動の声続出
もはや「文化財」と称したくなる缶ジュースとの邂逅はツイッター上で大きな話題となり、件のツイートは投稿からわずか数日で2,000件以上ものRTを記録。
他のツイッターユーザーからは「子供の頃はこの缶だったなぁ…」「デザインがもう、懐かしすぎる」「この缶コーヒー、昔よく飲んだやつだ!」「細身の缶が懐かしい」など、感動の声が多数寄せられていた。
話題のツイート投稿主であるK・YOSHIKIさんは、昭和時代の自販機の「レストア作業」に取り組んでいるそうで、「1台でも多くのレトロ自販機を稼働する状態で残し、それらを実際に使って頂ける場所の設立を目標に活動しています」「主にSNSを利用してレトロ自販機の情報提供を呼びかけ、全国から収集した情報をもとに現地に足を運び、交渉を重ねて1台1台丁寧にレストアを行っています」と、自身の活動について説明してくれたのだ。
話題の自販機が、どのような経緯で発見されたか尋ねてみると…。
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■自販機の世界、あまりにディープすぎる
「群馬県桐生市の裏路地に朽ちた自販機がある」という情報提供を受けたK・YOSHIKIさんは、持ち主との交渉の末、無事に自販機を譲り受けることに。
こちらは78年に製造・設置された富士電機製の自販機で、元の持ち主曰く「設置から数年で稼働をやめてしまった」とのこと。レトロ自販機愛好家の間では、昭和に設置されてから朽ちていく自販機を「廃自販機」と呼ぶそうで、K・YOSHIKIさんは「この自販機も休日になると、写真撮影に多くの方が訪れていたようでした」とコメントしている。なんてディープな世界だ…。
こうした自販機は基本的に鍵を紛失した状態で引き取るため、まずは解錠作業を行なって内部の状況を確認し、その後に修理方法を決定するのが恒例のパターンだという。
缶ジュース発見時の様子については「今回もいつものように作業を進めていると、内部から缶飲料が当時の状態で残っているのを発見しました」「昭和時代の缶飲料が内部にそのまま残っているのは珍しく、状態もつい最近製造されたように綺麗でした」とも振り返っており、大いに感動したことが窺える。
なお缶ジュースの製造年日については、缶の底に記された6桁の数字を参照していたと判明。こちらの表記についても「当時は賞味期限表記が無く、製造日が缶底に印字されておりまして、 たとえば『830910』ならば、1983年9月10日に製造された商品であると分かります」と、非常に丁寧に説明してくれたのだ。
こちらの自販機は分解修理を済ませ、オリジナル塗装を残した部分補修を進めつつ、当時のままの雰囲気を残したレストア作業を行なっていくそうで、期待が高まるというもの。
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■「公式」に話を聞くと…
続いては、今回話題となった自販機内部の商品をめぐり、「UCC上島珈琲」でお馴染みの「UCCホールディングス」に詳しい話を聞いてみることに。
まずは各商品の詳細について確認すると、「オレンジ」飲料は75年、青を基調としたデザインの「ラムネード」は78年発売の商品であると判明。そして「コーヒー」に関しては「81年にリニューアル発売した『UCCミルクコーヒー』3代目です」という回答が得られたのだ。
「UCCのコーヒー」と聞いてピンと来た読者も多いかと思うが、こちらのミルクコーヒーは過去に9回のリニューアルを経て、現在は10代目が販売されている「超」が付く長寿商品。
69年4月に初代モデルが販売されて以来、時代と共にチューンアップを重ね、多くのファンに愛され続けてきた逸品だ。直近では発売50周年を迎えた2019年4月にリニューアルがなされており、UCC担当者は「コーヒーとミルクのバランスを見直し、パッケージを現代的でスタイリッシュなデザインに変更しました」と、説明している。
こちらの商品は、UCCグループの創業者・上島忠雄さんが約1年の期間を経て開発したもので、当時は1缶250グラム、70円で発売していたそう。
同商品の魅力について、UCC担当者は「コーヒーの飲用文化を大きく転換・変革した、イノベーションといえる商品です」と断言しつつ、「豆を挽いて抽出して飲んだり、喫茶店で飲むものであったコーヒーを『いつでもどこでも気軽に飲める缶コーヒー』として、時代と共に変化する日本人の味覚に合わせながら、コーヒーとミルクのバランスや甘味の細やかな調整を行なったことで、年代や性別を問わず、幅広い世代の方々に受け入れられてきたと考えています」と、力強いコメントを寄せてくれた。
多くの日本人にとって、何より身近な存在といえる缶コーヒー。ぜひその歴史を感じながら、ゆっくりと味わってみてほしい。