サイ・ヤング賞投手・バウアーが横浜DeNA入団会見 侍ジャパン・村上宗隆との対戦にも言及
昨季は2位に躍進、さらなる高みを目指し「横浜頂戦」を掲げる横浜DeNAベイスターズに、頼れる新外国人投手トレバー・バウアーが加入。横浜市内で会見が開かれた。
野球の世界一決定戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の決勝戦で米国代表を破り、見事14年ぶりに世界一を奪還した日本代表・侍ジャパン。
エンゼルスで大谷翔平選手のチームメイトでもある主将のマイク・トラウト外野手や大会最多の5本塁打を放ったトレイ・ターナー内野手、8回にダルビッシュ有投手から本塁打を放った昨年のナ・リーグ本塁打王カイル・シュワーバー外野手など、打線の破壊力には凄まじいものがあった。
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■サイ・ヤング賞投手がNPBに
一方の投手陣はというと、昨年の成績トップは先発のメリル・ケリー(13勝8敗/防御率3.37)。岡本和真内野手に本塁打を打たれた3番手のカイル・フリーランドが2018年に17勝(7敗/防御率2.85)を挙げているが、昨年は9勝11敗と負け越し。
また準決勝でも、侍ジャパンの左打者から三振の山を築いたメキシコ代表の先発左腕、パトリック・サンドバルもキャリアハイである昨年は6勝9敗(防御率2.91)だった。スター選手が参戦した野手に対して、投手陣はやや小粒な印象が否めない。
しかし、3月31日に開幕する日本のプロ野球に、「全米ナンバーワンの一人」と言っても過言ではない投手がやってくる。2020年にサイ・ヤング賞(ナ・リーグ)に輝いた、トレバー・バウアー投手だ。
14日に横浜DeNAベイスターズと契約したことが発表されて衝撃が拡がったバウアーが、24日、横浜市内のホテルで入団会見を実施。Sirabee取材班も駆けつけた。
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■51年ぶりの快挙
2011年、スポーツの名門・UCLAからMLBドラフト1巡目(全体3位)で指名され、アリゾナ・ダイヤモンドバックスに入団したバウアー。
2018年にはオールスターゲームに選出。また、コロナ禍のため60試合に短縮されて開催された2020年シーズンには、シンシナティ・レッズに所属し、5勝4敗/防御率1.73。最優秀防御率と最も優れた投手に与えられるサイ・ヤング賞を獲得した。
サイ・ヤング賞投手がNPB球団に入団するのは、1962年に中日ドラゴンズで活躍したドン・ニューカム以来51年ぶり。
ただし、MLBで149勝(90敗)を挙げたニューカムは、中日では外野手として登録。投手としての登板は1試合のみ(投球回は4回)だった。
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■「横浜頂戦」に現実味
昨シーズンは、前年の最下位から一気に2位に躍進。三浦大輔監督が就任してから初のクライマックスシリーズに進出した横浜DeNAだったが、CLではペナントレース3位の阪神に敗退。今季は「横浜頂戦」をスローガンにチーム一丸となっている。
オープン戦では大きく負け越し、下位に沈んでいるものの、侍ジャパンから左腕エース・今永昇太とWBCで2本塁打を放った牧秀悟がチームに復帰。さらにバウアーが加入し、「頂戦」も現実味を増している。
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■侍ジャパン・村上選手との対戦にも言及
24日午前、萩原龍大チーム統括本部長とともに会見に臨んだバウアーの背番号は96。ベイスターズでの目標について「チームの優勝」を第一に挙げつつ、「200奪三振と直球の平均球速96マイル/h(時速154.5km)」との数字にも触れた。
背番号は、この平均球速にちなんだものだという。また、記者が「侍ジャパンの中で対戦して押さえたい打者」について質問したところ、昨季、最年少三冠王に輝いたヤクルトスワローズの主砲・村上宗隆内野手の名前を挙げた。
先端的なトレーニングを取り入れているバウアーからは、「野球を科学する」との発言も。その一例として、日米で異なる公式球への対応も紹介。
NPB公式球は数ヶ月前から使い始めており、「あまり違いは感じない」と語りつつも、半分に切って中の構造をMLB公式球と比べるなど、科学的な一面をのぞかせた。
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■個人FCも設立
DeNAは、球団初の試みとしてバウアー投手の個人ファンクラブを設立。バウアー自身も「Meet & Greetイベント」などでファンとキャッチボールするなど、今までの選手とファンの関係を超えた交流に期待を寄せた。