日本人の約3割、松屋看板メニュー名を誤解していた じつは「牛丼」は存在せず…
「人気牛丼チェーン」松屋だが、日本人の約3割が「松屋メニューに牛丼はない」ことを知らなかったと判明。運営元に「命名の由来」を聞くと…。
世の中には「あれ、どっちだったかな…」とおぼろげに記憶してしまう事象が多々あるが、その正式名称が誕生した「背景」を知ると、思わず納得してしまうもの。賢明なる読者には既知の事実として映ったり、「細かすぎるだろ!」とツッコミを入れたくなるケースもあるかと思うが…決して少なくない人々が「誤って記憶している事象」の正体について探っていきたい。
今回は、日本を代表する人気牛丼チェーンの「看板メニュー」について見ていこう。
【関連記事】日本人の約4割、バーモントカレー「正式名」誤解していた 60年前に驚きの秘密が…
画像をもっと見る
■松屋の看板メニューは「牛丼」でなく…
まず注目したいのは、全国の10〜60代の男女1,000名を対象に実施した「牛丼チェーン」に関するアンケート調査である。同調査には「牛丼でなく『牛めし』を販売しているのは?」という設問を用意し、回答の選択肢は吉野家、松屋、すき家の3つ。
調査の結果、全体の7割以上が「松屋」と回答し、残る約2割が「すき家」、約1割が「吉野家」を選択したと判明している。
日頃あまり外食で牛丼チェーンを利用しない人は「そもそも問題の意味が分からない」と感じているかもしれないが…じつは、松屋の看板メニューの名称は「牛丼」でなく「牛めし」が正しいのだ。
なお、吉野家とすき家は「牛丼」が正しいメニュー名である。
関連記事:松屋、牛めしの肉を使った“神メニュー”が話題に 「まさかのうどんだと…」
■他のメニュー名は「丼」がつく謎
性年代別の回答を見ると「松屋が販売しているのは牛めし」と認識している人物の割合は、女性より男性の方が大きい結果となった。
その他の選択肢では「吉野家」より「すき家」を選択した人の方が多かったが、すき家は3つのチェーンの中で比較的「変化球」なメニューが多いため、そうした印象が回答に影響を与えたのかもしれない。
なお、松屋ではその他メニューも「○○めし」という名を冠しているかというと、そういうワケでなく、むしろ「牛焼ビビン丼」「ネギねぎ塩豚焼肉丼」「キムカル丼」といった具合に、積極的に「丼」の字を使用しているのだ。
そこで今回は、松屋がなぜ「牛めし」という商品名を採用しているかについて、松屋を運営する「松屋フーズ」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、納得の「舞台裏」が明らかになったのだ…。
関連記事:Amazonの松屋福袋が想像以上に最高 さりげなく“松屋以外”の商品も入っていて…
■松屋の「本気」に思わず感動
まずは「牛丼」でなく「牛めし」というメニュー名になった経緯について尋ねてみる。
すると、松屋フーズ担当者からは「『牛めし』命名の背景に関しましては、当社創業者・瓦葺利夫(かわらぶきとしお)が、昭和43年(1968年)頃の商品販売開始時に『牛めし』と命名したと聞いております」との回答が。
続けて「『牛めし』という言葉そのものは、明治時代に牛鍋(すき焼きに似た料理)を丼ぶり飯にかけたものを『牛めし』と呼んでいた、というルーツがあるそうです」とも補足してくれたのだ。
また、前出の「丼」メニューとの区分については「『牛めし』は当社にとって力を入れている看板メニューで、特別なものです」「そのため『牛めし』を1つのカテゴリーとして考え、その他の丼とは別のカテゴリーとしています」と説明しており、同社の「牛めし」に込めた思いが改めて感じられる。
今回の調査結果を受け、担当者は「『松屋=牛めし』と多くの方に認知して頂いており、嬉しく思います。 ですが、3割の方はまだご存知でないとするとまだまだだなとも思うと同時に、 もっと国内、そして海外にも広げるべく精進する所存です。これを機に『松屋の牛めし』として覚えて頂けたら嬉しいです」と、前向きなコメントを発していた。
次回松屋で食事をする際は、ぜひ「牛めし」の3文字に込められた熱い思いを感じ取ってほしい。
今回のように細かい部分の表記で、多くの人が誤解していそうな商品名・企業名・チェーン名等があれば、ぜひSirabee編集部に情報を寄せてほしい。日常に隠れている小さな『気になる』の謎を、共に解き明かそう。
・合わせて読みたい→松屋、心も体も芯からホカホカの冬メニュー発売 これは楽しみだ…
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)