未成年や投開票日でもやりたい放題の落選運動 3割が「法律で禁止すべき」
意見が異なる候補を落とすことを目的とした落選運動。現在は「選挙運動」と認められておらず法規制がないが…。
2023年は4年に一度、地方自治体の首長や議員の選挙が集中する統一地方選挙の年。9日に道府県知事選挙などの前半戦の投開票が、23日には後半の投開票が行われる。
そんな中、インターネットやSNSの普及とともに拡がり、今回の選挙でも行われているのが「落選運動」だ。
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■「諸刃の剣」の側面も
2021年の衆院総選挙や昨年の参院選など国政選挙でも展開された「ヤシノミ作戦」は、選択的夫婦別姓や同性婚などを選択区基準とし、反対する候補者をリスト化したもの。
また、不適切な会計処理が国会や都議会でもたびたび取り上げられた一般社団法人Colaboの活動に疑義を唱える候補者も、複数のリストに掲載されて拡散している。
ただ、Sirabee編集部の調査では、落選運動は対象になった候補者だけでなく仕掛けた側の印象のほうがむしろ悪化する傾向も明らかに。
また、運動との関連性は不明だが、リストに掲載された候補者の選挙ポスターが破られたり、大量の脅迫メールが送られる事件も発生している。
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■未成年でも投票日でも運動が可能
落選運動については、日本の公職選挙法では明確な規定がなく、対立候補の当選を目的としたものでなければ「選挙運動」とならないため、全く規制がない。選挙運動では禁止されている未成年が行うことも、選挙当日まで行うことも可能だ。
また、リストが必ずしも「投票行動の判断」のためだけに使われるとは限らず、ポスターの破損や脅迫メールなど、公職選挙法などに抵触する違法行為に悪用されてしまうリスクもある。
世間は、こうした落選運動に対して、どんな印象を抱いているのだろうか。
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■「現状のままOK」はわずか5%
Sirabee編集部が、4月10〜12日にかけて、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、落選運動への規制・運用について、「現状のままで問題ない」と答えた人の割合は、わずか5.1%。
「犯罪などにつながらないよう、現状より慎重に行うべき」との回答が圧倒的に多く、64.2%だった。また、自主的な規制ではなく、「法律で禁止すべき」と新たな法整備を求める声も30.7%に及んでいる。
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■中高年は厳しい視線
世代別に見ても、現状のままでOKと考える人は極めて少なく、法整備や自主規制を求める声が圧倒的だ。50〜60代では4割前後が法律で禁止することを求めている。
落選運動が日本では比較的最近になって普及した、インターネット中心の活動であることと関連しているかもしれない。ただ、どの世代でも3割弱は法律で禁止するよう求めているのも印象的だ。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)