野良猫の狩猟イベントが物議 飼い猫かどうか確認するのは仕留めた後で…
10代の若者に、野良猫を撃たせる狩猟大会が開催。猫の飼い主からも不安の声が上がっている。
ニュージーランドで開催された狩猟大会が、物議を醸している。大会の主催者は10代の若者に対して「できるだけ多くの野良猫を仕留める」ことを奨励しており、住民や動物愛護団体はこれに反発しているのだ。
『New Zealand Herald』『CNN』などの海外メディアが報じた。
■10代の若者向けイベント
カンタベリー北部では、毎年チャリティイベントとして狩猟大会が開催されている。そんななか先日発表された新たなジュニア向けの競技セクションが、物議を醸しているのだ。
このセクションでは、14歳以下のハンターが6月下旬までにできるだけ多くの野良猫を「駆除」する必要があり、最も多く仕留めた者は賞金として250ドル(約3万3,000円)を獲得するという。
これに対して動物虐待防止協会(SPCA)は、子供たちが猫を狩ることを奨励する大会に「強い懸念」を表明している。
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■確認するのは「撃った後」?
大会の主催者は、野良猫を駆除することには正当な理由があると主張している。しかし地域住民は、自分たちの飼い猫が撃たれるのではないかと心配しているのだ。
SPCAは声明のなかで、動物を狩猟する競技を非難しており、10代の若者が野良猫と「怯えた飼い猫」の違いを見分けることは不可能だと付け加えた。
なお、大会では飼い猫かどうかを識別するためにマイクロチップをスキャンする方針だが、このプロセスは猫が撃ち殺された後に行われるそうだ。
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■長く苦しむことも…
SPCAの調査チームのリーダーであるサム・ケアンズさんは、カンタベリーで飼い猫が撃ち殺される事件は珍しくないと語る。
また、このような狩猟大会では通常エアライフルが使用されるため、撃たれた動物は長時間に渡って死を伴う苦痛を味わう可能性が高いと指摘している。
ケアンズさんは「つい先日もエアライフルで撃たれた猫が敗血症で亡くなりました。それは飼い猫のようでした」と語った。
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■地域住民からも不安の声
カンタベリー在住のバーニーさんは、地元メディアのカンタベリーモーニングズに電話をかけ、大会の形式に不安を感じていると訴えた。
「できるだけ多くの獲物を仕留めるというルールの下では、飼い猫か野良猫かを判断する心の余裕が奪われてしまうでしょう」と語っている。
また、この大会にはSNS上でも「たとえ野良猫が社会問題になっていても、このやり方はひどすぎる」など、批判的なコメントが寄せられているようだ。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)