とんがりコーン食べるとき、9割の日本人が「あの儀式」していた　もはや本能なのか…

人間の深層心理には大小様々な欲求が渦巻いているが、中には「理由もなくとってしまいたくなる行動」も少なからず存在する。たとえば、ベーカリー店内でトングを手にすると意味もなくカチカチ開閉してしまったりと、謎の行動をとった経験はないだろうか。

今回は、そんな人間の「謎行動」の代表格である「とんがりコーンの食べ方」について注目してみよう。

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■とんがりコーン、どう食べる？

「とんがりコーン」といえば、今も昔も「スナック菓子界」を代表するお菓子のひとつ。果たして「とんがりコーンの食べ方」を尋ねられた際、読者諸君はどのような食べ方を連想するだろうか。

今回、全国の10〜60代の男女1,000名を対象として「とんがりコーンを指にはめて食べた経験の有無」に関するアンケート調査を実施したところ、なんと全体の9割近い86.9%が「経験あり」と回答していたことが判明したのだ。

もはやここまで来ると「特殊な食べ方」でなく、指にはめて食べるスタイルこそが、とんがりコーンのスタンダードと言えるだろう。

ちなみに年代別の回答を見ると、10〜40代は9割以上が「経験あり」と回答しており、幅広い年代層に支持された食べ方と判明。一方で60代になるとポイントが大きく低下するが、それでも過半数の56.5%である。

圧倒的大差のついた回答結果を見ると「そもそもとんがりコーンは指にはめて食べることを想定し、作られたお菓子なのでは？」とすら、感じられてしまう。そこで今回は、同商品を製造・販売する「ハウス食品グループ本社株式会社」に、詳しい話を聞いてみることに。

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■この食べ方は「想定」されたもの？

まずはハウス食品に「とんがりコーン」誕生の経緯について尋ねてみることに。

すると、担当者からは「当社では、1977年（昭和52年）に成形ポテトチップスを発売してスナック市場へ参入し、これに続く第2弾としてトウモロコシを素材とするものを探索し、ゼネラルミルズ社の『Bugles』という製品に辿り着いたのがきっかけです」との回答が。

当時の開発担当者は「Bugles」の形状のユニークさに強く惹かれ、同商品を日本流にアレンジすることを閃いたのだ。ゼネラルミルズ社の「Bugles」は、らっぱ、つのぶえという意味を持つが、ハウス食品は「日本人に親しみやすく、覚えやすい名前」を付けることを目指し、その結果誕生したのが、ご存知「とんがりコーン」だという。

現在のハウス食品　担当者は「『とんがり』というネーミングについては、『とんがり帽子のような形』というイメージが由来となっています」とも補足していた。

前出のように「指にはめて食べる」という形式は本来想定されたものでないと判明したが、こちらの食べ方がいつ頃から「市民権」を得たのかは、ハウス食品側でも検討がつかないという。

しかし、担当者は「（いつ頃から始まったのか）詳しい年代は分かりませんが、お客様にご愛顧される中で『指にはめて食べる』というユニークな価値が醸成されたと推測しております」と、笑顔で粋なコメントを寄せてくれたのだった。

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■「5月25日」はじつは…

さらに、ハウス食品担当者からは「『指にはめて食べる』といったお客様発信の食べ方が広がり、多くの世代で愛して頂いたお陰で、とんがりコーンは今年5月25日（とんがりコーンの日）に、発売から45年を迎えます。これからも、多くの方に楽しさを提供できるよう、努めてまいります」というコメントが。

なんと「とんがりコーン」の販売が開始された5月25日は、商品名を冠した記念日に制定されていることが判明したのだ。

大人になってから「指にはめて食べる」というスタイルから離れてしまった人もいるかと思うが、これを機会にぜひ「伝統の食べ方」にトライしてほしい。

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（取材・文／Sirabee 編集部・秋山 はじめ）