ドル円相場の理想は今より「円安」か「円高」か 60代の5割が求めたのは…
昨年10月には1ドル=150円をうかがったドル円相場。現在は再び140円前後の水準だが…。
昨年10月には1ドル=150円に迫ったドル円の外国為替相場。その後、政府・日銀による為替介入などもあり、今年1月には1ドル=127円台まで円が切り替えしたものの5月には再び140円を超える水準で推移している。
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■資源高で電気料金が値上げ
貿易立国である日本の場合、大企業の製造業にとっては円安のほうが都合がよく、株式市場も円安傾向のほうが上昇しやすい傾向が見られる。
ただ、現在発電量の約8割を火力発電に依存している状況においては、ウクライナ紛争と円安が二重で資源高につながっており、この6月にも電気料金の大幅な値上げが実施された。
円安のみに起因するものではないが、暮らしに身近な製品・サービスの値上げも毎月のように続いている。ドル円相場について、世間はどれくらいの水準を理想と考えているのだろうか。
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■4割が「円高」求める
Sirabee編集部が、5月25〜26日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象にドル円相場について調査したところ、「今より円安水準が理想」と答えたのは全体の23.1%。「現在と同等が理想」との回答が34.3%。
最も多かった意見は「今より円高水準が理想」で、42.6%を占めた。やはり、円安による物価の上昇が暮らしを直撃している様子がうかがえる。
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■60代では5割が円高希望
今回の調査結果を世代別で検証してみると、現状より円安を望む割合では大きな世代差は見られず2割台にとどまっている。一方、円高を望む割合はバラつきがあり、60代ではじつに52.2%に及んだ。
過去を遡れば、1994年の平均は1ドルが約102円、95年は約94円。2009年から13年までは100円を下回る水準が続いた時期も。かつては「1ドルといえばだいたい100円くらい」で計算した経験者もいるだろう。
こうした時代をリアルに覚えている人ほど、現在の為替水準はやや異常に感じられるのかもしれない。
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■執筆者紹介
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)