岸田文雄総理がNATO首脳会合に再び参加 その目的はどこにあるのか
昨年スペイン・マドリードで開催されたNATO首脳会合に続き、リトアニアで開催される今年の会合にも岸田総理が参加。その目的はウクライナ支援と欧米との結束だろうが、真の目的は…。
今年の会議はバルド3国の1つリトアニアで開催される。昨年、マドリードで開催された首脳会議には岸田文雄総理が日本の総理として初めて出席し、ウクライナとの結束で欧米諸国と連携を強化していくことで一致した。
■7月11日からリトアニアでNATO首脳会合
ウクライナ情勢ではこれまでロシア側の最前線で戦ってきた民間軍事会社ワグネルが先月一時クーデターらしき行動を見せるなど、今日、ロシア側の劣勢は明らかになっている。
しかし、ウクライナ側の攻勢もここに来てロシアの粘りに勢いが低下しており、一進一退の攻防となっている。
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■真の狙いはウクライナではなく中国
しかし、岸田総理の真の狙い、中長期的な狙いはウクライナではない。欧州においてロシアとNATOの軍事力の差は圧倒的なものがある一方、東アジアでは中国の軍備増強が続いており、自由民主主義陣営にとって将来的なリスクは明らかにアジアにある。
しかも、欧米諸国の中にはフランスのように、欧州の東アジアへの安全保障的関与を警戒する国々も少なくなく、フランスはNATOの東京事務所設置にも反対の意を発表している。また、欧州諸国の多くは中国と経済的に密接に結びついており、中国との軍事的摩擦によって自国経済へ影響が波及することを恐れている。
一方、岸田総理としてはNATO諸国と連携を強化する中で、欧州の東アジアへの関与をよりいっそう呼び込みたい狙いがある。
中国の軍拡に真正面から直面するのは日本であるが、米国や韓国、オーストラリアとの連携のみでそれに対処できるかは未知数だ。今回の訪問の目的は、欧州との結束を強化し、如何に多国間で中国に対抗できるかを探るものだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)