アルバイトが「偽札です!」と大慌て、客の手元を見ると… 予想外の正体にネット民驚愕
会計時に客が使用したお札を見て、アルバイトが「偽札です!」と驚き。その予想外な正体に、多数のツッコミが寄せられているのだ。
令和も5年目に突入し、次第に「平成」が過去のものになったと感じられる今日この頃。もう数年もすれば「令和生まれ」とのジェネレーションギャップも生じてくるだろう。
なお以前ツイッター上では「特大級のジェネレーションギャップ」に、多数のツッコミが寄せられていたのだ。
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■アルバイトの「偽札です!」に耳を疑うも…
今回まず注目したいのは、「投資」に関する情報や「イラスト」を多数発信している理髪店の店長・めでゅさんが投稿した1件のツイート。「バイトの子が店長偽札です!! ってwww」と綴られた投稿には2枚の紙幣が写った写真が添えられていたのだが…どこか違和感を覚える。
なんと、こちらの紙幣は一万円札、五千円札、千円札のいずれでもない「五百円札」だったのだ。
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■持ち主は「家にまだまだある」
「新五百円硬貨が使用不可」な自動販売機がしばしば話題となっている昨今だが、とはいえ「じゃあ五百円札を使おう」という思考に至るケースは非常に稀であろう。また物心がついた年頃に昭和を経験していない世代の多くは、五百円札の「存在そのもの」を知らないと考えられる。
前出のツイートは投稿から数日で6,000件以上ものRTを記録し、他のツイッターユーザーからは「状態が綺麗すぎて驚いた」「まさか令和の時代に拝めるとは…」「今の子って五百円札知らないのか…」などなど、驚きの声が多数寄せられていた。
ツイート投稿主・めでゅさんに詳しい話を聞いたところ、こちらの紙幣は大阪の理髪店にて、年配の男性が会計時に取り出したものと判明。
めでゅさんは「アルバイトの子は高校1年生で、生まれて初めてレジを打つアルバイトだったので、こうしてお金に触れる機会も少ないため、時計に驚いたみたいです。驚いた様子で私に『偽札ですか?』と確認しにきました」「お客様は70過ぎほどの方で『家にはまだまだある』とおっしゃっていました」と、当時の様子を振り返っていた。
そこで今回は、現在発行されていない旧紙幣の「効力」および「歴史」について調査すべく、日本銀行に詳しい話を聞いてみることに。その結果、様々な事実が明らかになったのだ…。
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■日本銀行券の「歴史」に驚き
我々が日常的に使用している紙幣の詳細について、日本銀行は「1885年(明治18年)に日本銀行として初めて銀行券(お札)を発行してから、現在までに53種類の銀行券を発行しています」「これらのうち、現在発行している種類のほか、既に発行されなくなった種類を含め、現在22種類の銀行券が有効です」と説明している。
今回話題となった五百円札(肖像:岩倉具視)は1969年(昭和44年)より発行開始され、94年(平成4年)に発行停止となった紙幣で、区分としては「現在発行されていないが有効な銀行券」に当たるのだ。
日本銀行は銀行券の特徴について「銀行券を用いて支払いを行なった場合、相手がその受取りを拒絶することができないという『強制通用力』が法律により付与されています(日本銀行法第 46 条)」「また銀行券を用いて支払いを行なった場合、振込やクレジットカード等と異なり、金融機関のような第三者の介在なしに、銀行券を取引の相手に引き渡した時点で、当事者間の決済を最終的に完了できるという意味で、銀行券は『支払完了性』を有しています」と説明している。
つまり、たとえ「生まれてから一度も目にしたことがないお札」だとしても、現在も有効な紙幣であれば、支払い時の受け取りを拒否することは法に抵触してしまうのだ。
ちなみに、一度発行された銀行券は「法令に基づく特別な措置」がとられない限り、通用力を失わない。初めての日本銀行券が発行されてから約140年が経過しているが、その長い歴史の中でこうした措置が施行されたタイミングは、1927年(昭和2年)の「関東大震災後の焼失兌換券の整理」、46年(昭和21年)の「終戦直後のインフレ進行を阻止するためのいわゆる新円切り替え」、53年(昭和28年)の「1円未満の小額通貨の整理」のわずか3回である。
70年前に実施された最後の特別措置のタイミングでは「五銭券」「十銭券」が運用停止となり、ここから現在同様「円」単位のみが用いられるようになった。銭廃止の背景には戦後の激しいインフレがあり、日本の「高度経済成長」前夜を感じさせるエピソードと言えるだろう。
来たる2024年度の上半期には、新デザインの紙幣が発行開始となる。この絶好なタイミングで、ぜひ紙幣に関する理解を深めてみてほしい。