ニューヨークの交差点に望遠鏡設置した82歳 交通の邪魔でも絶賛された訳とは
晴れた日には望遠鏡を持ち出し、星空を人々に見せているという男性。その姿が、「人との繋がり」を求める人々の胸を打った。
ニューヨークの車通りが多い交差点に、望遠鏡を設置した男性の姿が拡散された。82歳のアマチュア天文学者だというその男性は、普段から望遠鏡を持ち出して通行人に宇宙を見るよう勧めているのだという。
『NEW YORK POST』や『The Guardian』などの海外メディアが取り上げると、「素晴らしい」と絶賛の声が相次いだ。
■望遠鏡の後ろには行列
今週火曜日の夜、ある男性が、アメリカ・ニューヨーク州ブルックリンの交差点に大きな望遠鏡を設置して人だかりを作った。望遠鏡の後ろには複数人が並び、交代で望遠鏡を除いては興奮した様子で何が見えたか語り合っている。
望遠鏡を設置した82歳のジョー・デルフォースさんは、20年以上宇宙に魅せられ続けているというアマチュアの天文学者だ。
昔はコンピューターサイエンスの教師をしていたという彼は、晴れた日には望遠鏡を持ち出して、通りがかった人に宇宙の美しさを見せているのだという。
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■コンサート終わりの人々が興味
その日、土星を見るために歩道で観測を始めたジョーさんだったが、そこからは何も見えず、荷物をまとめて帰ろうとした。ところが、交差点のど真ん中に立てば、土星の姿が完璧に見えることに思い当たり、そこに設置したのだという。
偶然にも、近くで行われていたインディーズバンドのコンサートが終了したところだったため、多くの人々が通りがかり、望遠鏡の後ろに行列を作った。
ジョーさんが誇らしげな父親のように立ち、人々が頭を下げて望遠鏡のレンズを覗く姿が、通行人によって撮影されている。
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■「人との繋がり」感じる天体観測
この動画が話題になり、メディアの取材を受けたジョーさんは、「ニューヨーカーたちはもともと用心深いけれど、望遠鏡の前では警戒を解き、後ろの人に話しかける。きっとみんな人との繋がりに飢えているのでしょう」と語った。
交差点の真ん中に望遠鏡を設置した時も、1人のドライバーが「どけ」と怒鳴っただけで、後の車は全て望遠鏡を迂回して通ってくれたそうだ。
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■「世界がいつもこうならいいのに」の声
ジョーさんの土星観察の姿を見た人々からは、「美しい。世界がいつもこんなだったらいいのに」「この優しい男性の行動が、若い誰かの人生を変えたかもしれない」「この男性が求めるものは、人々の驚きの表情と喜びの微笑みだけ。なんて素晴らしい物語だ」と絶賛の声が上がった。
ジョーさんは、「土星を見るのに大学の学位も何もいりません。望遠鏡を覗けば、みんな同じなのです」と話し、誰でも天体観察を始めることができると明言した。