ガザ地区への地上侵攻も懸念されるパレスチナ問題 「詳しく知っている」日本人はわずか2%
イスラエル軍の空爆により、子供を含めた多くの死者が出ているパレスチナ・ガザ地区。この背景について知っている人の割合は…。
イスラム組織「ハマス」が実効支配するパレスチナ自治区のガザ地区。ハマスによる攻撃をきっかけにイスラエルは戦時内閣を組織して激しい空爆をもって反撃。
ガザ地区では物資の不足やライフラインの破壊、空爆やミサイル攻撃によって子供を含む大きな死者が出るなど、懸念される状況が続いている。
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■地上侵攻が懸念
米国のバイデン大統領やブリンケン国務長官は、相次いでイスラエルや中東各国を歴訪。事態の収拾に躍起になっているが、イスラエル軍によるガザ地区への地上侵攻の可能性は今も高いと言われている。
2014年に同じくイスラエル軍がガザ地区に地上侵攻した際は、パレスチナ側が2,100人以上戦死、1万人以上が負傷した。
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■たび重なる戦争の歴史
これまで4次に渡って戦われたイスラエルとアラブ諸国による中東戦争、その後のレバノン内戦や湾岸戦争などにも、イスラエルとアラブ、パレスチナの対立は影を落としている。
古くは1世紀、帝政ローマ初期のユダヤ戦争に敗れて祖国を追われたユダヤ人がローマ帝国の各地に散り散りになり(ディアスポラ)、各国のなかで異邦人として2千年近い迫害を受けた後、19世紀に故郷を求めるシオニズム運動が勃興。
第二次世界大戦後、当時イギリスの国際連盟委任統治領だったパレスチナのうち、1946年の国際連合によるパレスチナ分割決議によって、国家としてのイスラエルが誕生した。
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■数千年前からの因縁も
しかし、2千年近くそこに住み続けていたのはイスラム教を信仰するアラブ人であり、エルサレムはムスリムにとっても聖地。
かたや、ユダヤ人(ヘブライ人)の宿敵だった海の民・ペリシテ人にちなんで現在の名がつけられているパレスチナは、「乳と蜜の流れる約束の地」として神から与えられたというのが旧約聖書の記述。
このように数千年の歴史と戦いが織りなす、極めて難しい問題だ。こうした背景について、日本ではどれくらいの人が知っているのだろうか。
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■「知っている」は3割台
Sirabee編集部、10月11〜16日にかけて全国10〜60代男女1,000名について「パレスチナ問題の知識」について調査したところ、「かなり詳しい」と答えた人はわずか2.4%。
「ある程度知っている」が30.9%で、比較的知っている人は、3人に1人にとどまることがわかった。最も多かった答えは「あまり知らない」で46.8%。「全く知らない」も19.9%にのぼっている。
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■女性はとくに…
今回の調査結果は、男女差も大きくあらわれた。男性では4割以上が「知っている」と答えたのに対して、女性では2割台。また、「全く知らない」という回答も女性では22.9%に及んでいる。
距離もあり、また歴史も根深く分かりづらいパレスチナ問題。今を知るために、まずはその背景を紐解くことも大切だろう。
■執筆者プロフィール
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)