『ブラタモリ』制作の知られざる裏話 「タモさんには敵わない」「俺の100倍知ってる」放送作家が語る
NHK『ブラタモリ』を担当している放送作家・関秀章氏が語った、制作の裏話。スタッフにも歴史や地学など幅広い知識が求められる番組だが、タモリの博識ぶりには「敵わない」と脱帽した。
放送作家の関秀章氏が、YouTubeチャンネル『放送作家の証言』に出演。タレント・タモリがMCを務める紀行・教養バラエティ番組『ブラタモリ』(NHK)の裏側について語った。
■タモリが独自の視点で街歩き
同番組は、タモリがさまざまな街を訪れ、歴史や地質学、地理学といった視点から街のエピソードを探るというもの。
当初は東京都内や関東近郊を訪れていたが、2015年からのレギュラー版第4シリーズでは、全国各地へと足を延ばすように。2019年にはイタリア・ローマや、フランス・パリも訪れていた。
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■ロケハンは「結構ヘビー」
もう1人の作家とともに、行先なども決めているという関氏。収録の前には、スタッフでロケを行う場所などを探す「ロケハン」に行くが、ロケハンの前に、関氏が個人的に下見に行くことも。
ロケハンは「結構ヘビーで、朝8時に集合して、下見台本に従って1日回る。『ここより、ここがいいんじゃないの?』ってやり取りをしながら回って、終わったらそこから構成。(ロケハンが)終わるのは日没まで。そこからずっと構成」と明かす。
とくに地方のロケハンでは、新幹線や飛行機の最終便に間に合うギリギリまでロケハンと構成をするそうで、そこからディレクターとやり取りをして修正し、本番を迎えるという。
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■タモリは「本当にすごい人」
また、「視聴者として見ていたら、タモリさんの知識が炸裂してるなと…」と言われると、関氏は「それを炸裂させるために、サッカーで言えばどれだけセンタリングを上げられるか。タモリさんにどれだけセンタリングを上げて、タモリさんがシュートを打てるか」と、タモリの持つ知識が光る構成になるよう工夫していることを語る。
そのため、構成作家にも歴史や地学、天体学など幅広い知識が求められるが、もともと関氏自身にもそれらの知識があり、番組作りに役立っているという。
しかし「タモさんには敵わない。あの人は本当に俺の100倍知ってる。本当にすごい人ですよ」と、タモリの博識ぶりに脱帽していた。
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■レギュラー終了に「残念」5割近く
今月に行われたNHKの定例会見では、『ブラタモリ』が3月いっぱいをもってレギュラー放送を終了することが発表された。
10年以上続いた人気番組とあって、Sirabee編集部が2月16~18日にかけて全国の10~60代の男女1,000名を対象に調査を実施したところ、『ブラタモリ』の終了について「非常に残念」と答えた人は15.4%、「やや残念」という回答が31.1%と、5割近くの人が終了を惜しんでいることが明らかに。
同局では、「視聴者の皆さんにもっと楽しんでいただけるような番組を目指して企画を検討していきたい」と含みを持たせている。今後も、特番などでタモリの街歩きを見られることに期待したいところだ。