『ゴジラ−1.0』米アカデミー賞で快挙 制作現場の“裏話”に『VIVANT』ディレクターも衝撃「まさかこんなに…」
米アカデミー賞で、アジア作品として初の視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』。その映像制作について、ドラマ『VIVANT』のディレクター・宮崎陽平氏が改めて驚きの声をあげている。
昨年大ヒットしたドラマ『VIVANT』(TBS系)で演出を担当した、同局の宮崎陽平氏が11日、自身のX(旧・ツイッター)を更新。米アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した映画『ゴジラ-1.0(ゴジラマイナスワン)』の映像の制作過程に驚きの声をあげた。
■アジア作品で初の快挙
同作は、終戦後の焦土と化した日本を舞台に、突如姿を現したゴジラが、全てを失った人々を負(マイナス)に叩き落とすというストーリー。
日本映画が、米アカデミー賞で視覚効果賞にノミネートされたのは今作が初めてで、受賞はアジアの作品で初の快挙に。監督、脚本を手がけた山崎貴氏がVFX(視覚効果)も担当しており、監督として同賞を受賞するのは、『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック監督以来、55年ぶりとなった。
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■「界隈で話題です」
同作の視覚効果については、エフェクトアーティスト・米岡馨氏が昨年11月の投稿で、「山崎組のVFXのクオリティが高い理由に、スタジオ内に監督がいる、というのがかなり大きいです」と言及していた。
宮崎氏は改めてこの投稿を引用すると、「『ゴジラマイナスワン』のVFX制作過程が界隈で話題です。スゴい」とポスト。山崎監督が所属する映像制作プロダクション「白組」による、同作のVFXの制作過程について解説するYouTube動画を紹介した。
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■ハリウッド作品の10分の1ほどの人数
動画によると、『ゴジラ-1.0』のVFXに携わったのはわずか35人で、米国の大作映画の10分の1ほどの人数だった。
通常であればVFXの制作には数多くの人数によるチェックが必要だが、同作は監督がVFXも担当しており、中間のチェック過程を飛ばしてVFXのアーティストと直接やり取りができるスタイルに。
さらに、撮影のセットに使える予算も少ないため、軍艦の甲板の一部分のセットだけを作り、デジタル技術を組み合わせて大量に登場する軍艦の映像として仕上げた。