落馬で意識不明、藤岡康太騎手が死去 競馬実況アナが追悼…真摯な人柄を偲ぶ
今月6日のレースで落馬して意識不明の状態が続いていたJRAの藤岡康太騎手が死去したことが発表された。競馬実況アナウンサーや、宮川一朗太ら競馬ファンからも悲しみの声が寄せられている。
ラジオNIKKEIの山本直アナウンサーが11日、自身のX(旧・ツイッター)を更新。10日に死去したJRA(日本中央競馬会)の藤岡康太騎手を追悼した。
■落馬後に意識不明
康太騎手は、祖父が厩務員、父が藤岡健一調教師、兄が藤岡佑介騎手という一家の出身で、2007年に騎手デビュー。2009年にはNHKマイルカップでジョーカプチーノに騎乗し、GIレースを初制覇した。
その後も白星を重ね、昨年のマイルチャンピオンシップでは、急遽の乗り替わりで騎乗したナミュールでGIレース2勝目を果たした。先月30日には史上58人目、現役騎手では27人目となるJRA通算800勝を達成していた。
今月6日に阪神競馬場で行われた第7レースで、騎乗馬が第3コーナーで前を走っていた馬に接触してつまずき落馬。救急搬送され、意識不明の状態が続いていたが、10日午後7時49分に死去したことをJRAが発表した。35歳だった。
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■真摯な人柄を追悼
競馬実況を担当し、GIレースの実況も数多く務めている山本アナは、「レース後のコメントは勝敗を問わず、真摯で、少し間を開けながら、目を見て話す」と、康太騎手の真摯な人柄を振り返る。
2021年のGII・京都大賞典で、康太騎手が9番人気だったマカヒキに騎乗し、先行馬を外からハナ差でかわして、同馬に5年ぶりの勝利をもたらしたレースに「マカヒキの京都大賞典には、本当に驚かされました」とつづると、「藤岡康太騎手の訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます」と悼んだ。
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■小塚アナ、高田騎手も悼む
また、同じくラジオNIKKEIの小塚歩アナウンサーも「ショックで言葉が出てこない。藤岡康太騎手のご冥福をお祈りいたします」と投稿。
2022年に障害レースで落馬して第二頸椎を骨折する大ケガを負い、約1年後に復帰した高田潤騎手も「康太、言葉が出ないよ…。藤岡康太のこれまでに残した素晴らしい成績、功績、頑張りはこれからも永遠に競馬史に語り継がれていきます。どうかどうか安らかに…」と追悼した。
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■宮川一朗太も「ただただ残念」
大の競馬ファンとして知られる俳優・宮川一朗太は「藤岡康太騎手…昨年の秋GI2勝目を挙げ、まだまだこれからだったのに…ただただ残念でなりません」とショックを受けた様子。先月24日には、高知競馬の塚本雄大騎手がレース中の落馬事故で死去しており、「高知の塚本騎手のことがあったばかりで、言葉が出てこない…心からご冥福をお祈りします」とつづった。
一般の競馬ファンからも「まだ若いの、35だよ、お子さんも生まれたばっかり、なんで…」「改めて騎手は毎レース命がけなんだなと再認識させられます」「もう競馬場に行っても姿が見られないと思うと…」「本当に悲しいし未だに信じたくない」と悲しみの声が寄せられている。
また「騎手としてのリスペクトもありましたが、何よりその人間性が大好きでした」「爽やかな笑顔、飄々とした話っぷり、大胆な騎乗。どれも印象深く残っています」「性格も技術も素晴らしいジョッキーでみんなから愛される人柄でした」との声もあがっている。