「くにおくん」大好きVTuberがウマ娘のドット絵アクションゲーム『ウマ娘 熱血ハチャメチャ大感謝祭』をガチレビューします
オマケの『ゴルシちゃんの大冒険Ⅱ』がやめられないんだけど! ウマ娘とくにおくん愛にあふれる「ハチャウマ」で遊んでみました。
Sirabee読者の皆さんおはようございます。好きなウマ娘はゼンノロブロイ、競馬はやらないけど大きなレースの時は心の中で好きなお馬さんの勝馬投票券を買って賭けたつもりになる系VTuberの幽霊坂ゆらぎです。
今回は、なんとなく競馬が好きそうで、レトロゲームにも理解のありそうなSirabee読者さんたちのために、アクションゲーム『ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!(以下、ハチャウマ)』をレビューしていきたいと思います。
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■あの「くにおくん」に似ている?
本作は『ウマ娘 プリティーダービー』をベースにした初のコンソール向けゲームなのですが、全編ドット絵のゲーム内容に加え、ファミコン時代に一世を風靡した「くにおくん」シリーズとの共通点がたくさん見られます。
これは「くにおくん」大好きレトロゲーマーとして、そして多少なりともドット絵+チップチューンをたしなむ身としては避けられないぜ! ということで、本作の魅力を私なりに分析してみることにしました。
知らない人には説明が必要ですが、1990年にテクノスジャパンから『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』というファミコンソフトが発売されました。
この「熱血行進曲」は「くにおくん」シリーズの派生作品の一つで、主人公のくにおたちが学園対抗の運動会を開催するという内容になっています。
4つのチームに4つの競技、各競技では選手を選び、競技ごとのポイントで最終順位を決める。「ハチャウマ」と「熱血行進曲」の大まかな共通点はこのようになっています。
そもそも発売前からSNSでは「くにおくんっぽい」と言われていた本作ですが、発売日には「ハチャウマ」の公式Xアカウントが「熱血行進曲」のパロディイラストを投稿し、似ていることが単なる偶然ではないことをアピールしました。
/#ハチャウマ が本日発売📢
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『ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!』が本日発売いたしました!発売を記念して特別なイラストをお届けします!
ぜひ、『ハチャウマ』をゲットして、
ひとりで、みんなで、ハチャメチャにお楽しみください♪#ウマ娘 pic.twitter.com/xSXzyVECE9— 『ウマ娘 プリティーダービー 熱血ハチャメチャ大感謝祭!』公式 (@uma_musu_hacha) August 30, 2024
また、サイレンススズカ役の声優・高野麻里佳さんがXで「くにおくんライクなハチャメチャカジュアルアクション!」と本作を紹介した際は、「くにおくんライク」という表現がCygamesに許可取り済みであると発言しています。
さらにさらに、ゲームを起動してタイトル画面を目を凝らしてよ~く見ると、背景の観客に紛れてくにおとりきっぽい人たちが選手たちを応援している姿が…。
これまでの演出が意図的であったことがわかると同時に、シリーズに対してかなり愛のあるオマージュであることが判明しました。タイトルに冠する「熱血」の文字もたまたまではなかったのですね…!
かくいう私も「熱血行進曲」はシリーズの中でトップクラスに好きな作品で、脳内ランキングでは常に「熱血物語」「ドッジ」「時代劇」などがバチバチの戦いを繰り広げています。
また、強キャラ揃いの「れいほう」学園チームを誰が使うかで喧嘩になる、「かちぬきかくとう」だけを選んで9回遊ぶ、などの「熱血行進曲あるある」も一通り経験してきました。
ただ、私の推しは「れんごう」だったので、あえて相手にれいほうを譲ることでれんごうチームをスムーズに獲得するといった駆け引きも当時から存在していたような気がします。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は「ウマ娘」のファンで、かつての「くにおくん」プレイヤーとしての視点からのレビューになります。
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■個性豊かなストーリーモード
本作を起動すると、各モードの選択画面から動きまくるキャラクターのドット絵が早くもいい感じですね。
オープニングでは本作のためにつくられた主題歌『どどっと優勝!大感謝祭!!!』が流れており、ウマ娘ファン向けのゲームとしては最高の出だしです。
はじめたての状態で遊べるモードは「ストーリー」「ローカル対戦」「オンライン対戦」で、4つ目の「ゴルシちゃんの大冒険Ⅱ」はロックされていますが、これについては後述します。
一刻も早くオンラインで対戦がしたいなどの理由がなければ、まずはほとんどのプレイヤーがストーリーモードをやることになるでしょう。
ストーリーモードではチーム「コスモス」「フリージア」「ローズ」「リリィ」など、5人1組のチームごとに個別のストーリーが用意されています。
それぞれのチームの目的はバラバラですが、まずはアニメ版でも主人公を務めたスペシャルウィークが所属し、主に98年世代のウマ娘たちで構成されたチームコスモスのストーリーを触ってみることにしましょう。
ストーリーの序盤では自然な流れで各競技のルールが覚えられるほか、競技の一つである「大食いダービー」で、絶対王者・オグリキャップに勝つという目標が早くも提示されます。
各シナリオはゆる~い感じかと思いきや、実際に遊んでみると、タイトルの「熱血」の名に恥じない熱いシナリオが展開されていて驚きました。
もちろん、ゴルシちゃんことゴールドシップ率いるチームローズではシナリオの雰囲気もガラッと変わります。
どのストーリーも登場するウマ娘たちの個性を活かした内容になっていて、キャラクターを軸にしたゲームとしては嬉しいファンサービスですよね。
特に本作に関しては推しのウマがいたり、特定のキャラクターを目当てにして遊ぶことを決めた人もいるでしょうから、全キャラにボイスがついていたり、キャラ同士の会話が楽しめるのは、大事なポイントをしっかりおさえていると感じました。
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■ゲームを盛り上げる4つの競技
続いては本作に登場する4つのメイン競技を紹介します。
「ファン大感謝祭 大障害」
様々な障害物を避けたり越えたりしつつ、アイテムやスキルで相手を妨害したり、自キャラを強化しながら1位を目指します。元ネタは恐らく『熱血行進曲』の夢見町クロスカントリーと障害部屋競争のミックスでしょうか。
一見シンプルなゲームですが、スタミナやスリップストリーム、ジャスト入力などの複雑なシステムがあり、レースゲームとしては割とガチな仕様になっています。
「バスケット奪取ステークス」
障害物やベルトコンベア、さらに最大で3つのゴールがあるハチャメチャなバスケで、3連ゴールの元ネタは『熱血!すとりーとバスケット がんばれ DUNK HEROES』から。
こちらは難しそうに見えて、操作方法自体はかなりシンプル。隙を見て相手のボールをスティールしつつ、ゴールが3つ並んだ瞬間を狙ってシュートを打ち込んでいきましょう。
「ウマドッジチャンピオンシップ」
普通のドッジボールと違い、『熱血高校ドッジボール部』のように、相手の体力をゼロにするまでボールを投げあうちょっとデンジャラスな競技です。
元ネタと違って必殺シュートはボタン長押しで出せるので簡単ですが、コートにボールが複数あることでオリジナルの駆け引きが生まれています。
「大食いダービー」
料理を食べる「イーター」と給仕する「サーバー」に分かれて食べたお皿の枚数を競う競技です。GB版『熱血行進曲』には「格闘パン食い」という競技がありましたが、大食い要素は本作によるオリジナルかもしれません。
給仕するサーバーの足の速さがものをいうほか、同じ色の皿を選び取るテクニックも必要です。イーターは地味に見えますが、スキルを発動させて一気に大量得点を狙うことも可能です。
このようにどれも個性的な競技揃いで、ウマ娘らしく全力で走っているのは「大障害」くらいでしょうか。とはいえ、どの競技も思っていたより対戦ゲームとして練りこまれており、「ウマ娘」「くにおくん」双方へのリスペクトを感じました。
私が特に気に入ったのは「バスケット奪取ステークス」で、ゴールが縦に3つ並んだ瞬間にシュートが決まった時の爽快感がすごいです。
操作に必要なボタン数も他競技に比べると少なめで、シンプルながらも対人戦に必要な駆け引きはしっかりとあって面白かったです。
反対に、「ウマドッジチャンピオンシップ」はボールが場に複数個あることになかなか慣れず、必殺シュートを打とうとするところを集中的に狙われて、あっさりと退場になってしまいました。
もしかするとこれは「くにおくん」経験者ほど陥りがちな行動なのかもしれません。まだまだ練習が必要ですね…。
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■追加ウマ娘や自分だけのチーム編成も
本作では競技以外にも部室を好きなように飾れるモードがあり、ゲームを遊ぶことで得られるコインを使って様々な家具で部室を飾り付けることが可能です。
また、同様にゲーム内で得られるスカウトチケットを使用すれば、好きなウマ娘をスカウトして、自分だけのオリジナルチームを作ることができます。
さらに、先ほどは1チーム5人で合計4チームと言いましたが、ゲームを進めることで新たに使用可能になるウマ娘も存在しています。
また、DLCの「チームセット」を購入すれば、今後12月までに配信が予定されている追加チーム3種をゲットすることができるようです。
これまで紹介してきたように、本作は「ウマ娘」のファン向けゲームとしては丁寧に作られていて高く評価できるのですが、一方で細かい操作方法やUIには不満を感じる事もありました。
一番多かったのは、操作ボタンのわかりにくさです。本作はキーボード・ゲームパッド両対応で、それ自体は非常に親切でよいのですが、競技ごとに使用するボタンが違うのでやや混乱します。
チュートリアル自体はしっかり存在していて、この画面ではダッシュについて詳しく書かれていますが、どのボタンでできるのかは実際に操作するまでわかりません。
特に、一定時間毎にしか使えないスキルがうっかり暴発してしまうのは避けたいところ。どのボタンでどのアクションが出るか完全に理解するにはある程度の慣れが必要です。
さらに、チュートリアルにも載っていない競技の細かいルールや仕様についてはオプションのヘルプから確認できるのですが、かなり奥のほうまでいかないとみられません。
せめてよく使うボタンは常時画面に表示したり、チュートリアル画面にも書いておいてほしかったです。
また、すでに公式からアナウンスが出ていますが、記事執筆時点ではSteam版はネット対戦でマッチングするのが非常に難しい状態なので、ネット対戦を期待して購入したユーザーは肩透かしになってしまうかも。
さらにSteamのコミュニティスレッドでは起動回りのバグも報告されていて、「セーブできない」「起動しない」といった不満が多く上げられているようです。
実際に私も初回はゲームの起動ができず、解決にはある程度調べものが必要だったので、この時点で遊ぶことをあきらめてしまう人もいるかもしれません。
そのため、Steamのユーザーレビューは「賛否両論」「やや好評」あたりをウロウロしていて、ちょっともったいない状況です。このあたりはパッチになどで素早く改善してほしいところですが、購入を予定していて不安な人は、いましばらくアップデートを待つのがいいと思います。
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■オマケのゲームがとんでもない
さて、本作についてほとんどレビューしきってしまったと思いきや、じつはこのゲームにはとんでもないオマケ要素が伏兵として存在しています。
それはゲームモードの紹介の際に軽く触れた『ゴルシちゃんの大冒険Ⅱ』という「ゲーム内ゲーム」です。
このゲームはショップで「家庭用ゲーム機」という家具を買って部室に置くと遊べるようになるというものなのですが、これがまぁ、オマケとは思えないクオリティで驚きました。
SNSを見ていると、本編そっちのけでこちらにドハマりしている人たちが続出しているようです。
ゲーム内容を簡単に説明すると「ゴルシちゃんが主人公のハイスピード強制横スクロールアクション」といった感じで、とにかくゴルシちゃんを遠くまで走らせるのが目的になります。
それになぜそこまでハマってしまうかというと、このゲームには「レベルアップごとに3択の武器強化」や、「持ち帰った装備によるステータス強化」など、どこかで見たことのあるシステムが搭載されています。
難易度の上昇も絶妙で、最初は楽勝と思っていても、徐々に倒しきれない敵が出てきて、じわじわとじり貧になり、いずれはタイムオーバーやライフゼロでゲームオーバーという、サバイバーライクの基礎をしっかり押さえています。
負けてしまっても、その周回で拾った装備をつけてもう一回、次は新しい武器のビルドを試そう…となり、止めるのにいいタイミングが一向に訪れません。
強いて言えば、出撃に必要なTP(トレセンポイント)が尽きた時でしょうか。
ただ、前述のとおり全体的に説明が不足しているので、装備が強化できることに気づいたのはエンドレスモード解禁後でした。
さらに、これについては触れておかなければなりませんが、このゲームではファミコンライクなドット絵に加えてノリノリなチップチューン楽曲が流れます。
このアレンジはもしや、数多くのピコピコアレンジを世に放ち、本作開発にも参加されているヒゲドライバーさんの手によるものでしょうか?
道中にセグウェ…謎の乗り物である「ゴルシちゃん号」を取得し無敵になると、『うまぴょい伝説』のアレンジも流れますが、控えめにいって最高ですね。
私の勝手な感想ですが、『ゴルシちゃんの大冒険Ⅱ』を、操作キャラと装備、武器の種類を今よりちょっと増やして買い切りのゲームとして出したら、Steamでかなりの人気が出そうだと思うのですが、どうですかね?(チラチラ
■愛にあふれたバラエティゲーム
本作は「ウマ娘」ファンのためのお祭りのようなゲームとしては、非常に細かいところまで作りこまれていて、多くのファンに愛される内容になっています。
一方、原作はノータッチで、純粋なアクションゲームとして楽しみたいという人にとっては、(ゴルシちゃんの大冒険Ⅱを除いて)ボリュームはちょっと物足りなく感じるかもしれません。
ただ、このあたりはネット対戦の問題が解決すればある程度は改善されそうですし、現状でもNintendo SwitchやPS4版では問題なく遊べるようです。
さらにSteamではRemote Play Togetherを利用して、このゲームを持っていない友達とマルチプレイを楽しむこともできるので、気心の知れた友人たちとあの頃のようにハチャメチャなバトルを楽しんでみてはどうでしょう。
そんなわけで本作『ハチャウマ』は、ウマ娘のアクションゲームを心待ちにしていた人や、くにおくんシリーズの大ファンには間違いなく刺さるところのある1本だと思います。
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(文/Sirabee 編集部・幽霊坂ゆらぎ)